観光地だけでない、ふだんの村上を楽しめる宿「よはくや」

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今でも残る伝統と文化が長い歴史を物語る村上市。町屋が連なり、風情ある街として全国各地から観光客が訪れています。

そんな村上市に2018年9月、素泊まりの宿がオープンしました。町屋の並ぶ観光地から歩いてすぐの場所にある宿「よはくや」。チェックイン前も、後もすぐにお店が集まる商店街に歩いていけるので、観光客としてはとても嬉しい立地です。今回は、その宿と少しだけディープな村上を楽しめるスポットをご紹介します。

親戚の家に来たようにゆったりと過ごせる宿

まず目に入ってきたのは、「よはくや」と小さく書かれたのれん。のれんをくぐり、玄関を開けると宿主の高橋典子さんが出迎えてくれました。

宿の案内をするオーナーの高橋典子さん

チェックインは、共有スペースで。宿の説明はもちろん、村上市に関する歴史や周辺のお店情報も教えてくれます。観光情報だけではわからない、住民だからこそ知っているお店も紹介。夕方の段階から夜が楽しみになってしまいます。

チェックイン時にはお茶とお茶請けを出してくれた

人数や好みに合わせて選べる客室

女性専用、男女共用で利用できる相部屋

客室は全4種類。相部屋はすべて和室で、女性専用と男女共用に分かれています。寝るときには一人ずつ障子で作られた仕切りをつけてくれます。宿の相部屋と言うと2段ベッドを想像してしまいますが、ここは敷布団。実家に帰ったような安心感さえ感じられます。

洋室の個室は窓から差し込む光が心地よい

個室は洋室と和室の2種類。どちらも雰囲気のある照明が印象的。ランプシェードは宿が開業する前、高橋さんが友人から譲り受けたもの。解体間近の建物からレスキューしてきたそうです。 自分たちだけの空間でゆったりとしたいときにぴったりのお部屋です。

和室の個室は落ち着ける空間

雰囲気が違う4部屋。人数やどんな過ごし方をしたいかによって相部屋か個室を選んでみても良いですね。

誰かと話したり、一人で本を読んだりと自由に過ごせる共有スペース

ダイニングキッチンと、二間続きの和室が共有スペース。ここでは他の宿泊客と交流したり、ゆっくりと本を読んだり、寝っ転がって旅の疲れを癒したりと自由な使い方ができます。

もちろん高橋さんおすすめのお店に遊びに行くも良し、宿でゆったりと過ごすも良し。初対面の人とも気にせずに話せる、温かい時間が流れています。

観光地だけでなく、もっと地元に溶け込む旅を伝えたい

観光名所でもある鮭の専門店「千年鮭 きっかわ」で働いていた高橋さん。毎日多くの観光客の応対をするなかで、「決まりきった観光だけではなく、ゆったりと、ふだんの村上も味わってほしい」と感じるようになったそう。

鮭の専門店「千年鮭 きっかわ」

そんなモヤモヤが晴れたのは、粟島にあるゲストハウス「おむすびのいえ」を訪れたとき。泊まった夜は島の外から来た人も島に住んでいる人も一緒になってお酒を飲み交わしていました。そこに観光要素はなく、島の日常にお邪魔しているような感覚があり、「お金を出しても買えない体験ができる場所なんだ」と感じたといいます。

「これを村上市でもやってみたい。そうしたらふだんの村上を楽しんでもらえるんじゃないか」と考えた高橋さん。自分で宿を立ち上げることを決意します。

以前、料理店を営んでいたこの家には所々にその面影が残る

その後、まちを歩き回り、行政や商店街の店主さんなどにも相談し物件探し。仕事や子育てをしながら約2年間探し続けました。そして2018年3月、お世話になった方に今の物件を紹介してもらい、宿開業に向け動き出したといいます。

ふだんの村上が見える、街のお店へ

観光名所だけではないお店に行きたいと高橋さんに相談すると、早速おすすめを教えてくれました。今回はその中から2店ご紹介します。

1.    純喫茶 カトレア

よはくやから歩いて約5分。商店街の端にある、50年近く続く喫茶店。出迎えてくれたのは気さくな奥さま。初めてやってきた私にも昔の村上のことやお祭りについてなどたくさん話してくれました。

注文したのは、ナポリタン。慣れ親しんだケチャップの味に野菜の旨みが混ざり合い、コクのある味わいです。食後は珈琲を飲みながら、ゆったりとした時間を過ごしたいお店です。

2.    夭夭亭(ようようてい)

もうひとつ高橋さんのおすすめで行った場所は、2019年で45年目を迎える老舗のバー「夭夭亭(ようようてい)」。よはくやからは歩いて30秒とすぐ目の前にあります。

外観は少し入りにくいですが、扉を開けると気さくなマスターが出迎えてくれました。「うちはメニューがないんです。どんなお酒が良いですか?」と希望を聞いてお酒を作ってくれるマスター。

他のお客さんとの会話のつなぎ役ともなってくれるので、一人で行っても安心。気づけば店内にいる全員で同じ話題を話し、笑い合っていました。

地元のお客さんだけでなく、時には他県からマスターに会うために村上にやってくる人もいるのだとか。何度も通いたく理由は、初めて行っても何となく分かるような気もします。

「よはく」を大切に地域といきる宿として

「よはくやと名付けた理由は、私や宿が余白となり、街やお客様が引き立つ場所にしたいから。街の人が良くしてくれたからこそ、今があります。だからこそ、私や宿ではなく、街に注目して欲しいと思っています」と高橋さん。

村上に来た人が、ふだんの村上を感じられるように引き立てる役目を果たす宿「よはくや」。観光に捉われない、いつもの村上をゆっくりと味わいたいときにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

店舗情報

よはくや
住所:村上市細工町4-23
営業時間:チェックイン/16:00〜20:00、チェックアウト/10:00
料金:相部屋/4,860円〜、個室(一人利用)8,100円〜、個室(二人で)14,040円〜
※時期によって値段は異なります。詳しくは公式HPからお問い合わせください。
電話:0254-75-5489 (9:00~20:00)
公式HP:https://www.yohakuya.com/home

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。