町屋と武家、鮭の文化が残る城下町・村上市をまちあるき【ZINEづくりレポート】

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古くからの町屋造りの家屋が残る村上市。近年は、観光地としても有名になり、シーズンとなると全国各地から多くの観光客が訪れます。

新潟県の観光名所として名があがるようになった村上市ですが、もっと地域ならではの情報を地元の人から聞きたいと思い、まちあるきをして電子版ZINEをつくるイベントを開催しました。(前回は、岩室で開催。イベントレポートはこちら

今回のまちあるき案内人は、以前にいがたレポでも記事を書かせてもらった「素泊まりの宿よはくや」オーナーの高橋典子さん。2018年に「よはくや」を開業しましたが、以前は「千年鮭 きっかわ」でアテンドをしていた経歴を持つ方です。今回は、そのイベントの様子をレポートしていきます。


イベント集合時間は、10:30。新潟市内や村上市内から計6名の参加者が来てくださいました。最初はイベント趣旨の説明と各々の自己紹介。名前と参加した理由を聞いたのですが、村上市に詳しくなりたい人・情報発信に興味がある人とそれぞれの立場からの参加で、理由を聞くだけで興味深かったです。

村上市について紹介してもらったあとは、みんなで歩いて村上市内を散策。

長い歴史を持つ、お寺が集まる地域

最初に行ったのは、寺町と呼ばれる地域にある「淨念寺」。村上市は、町屋を見に観光に来る人が多いですが、実はお寺が集まるエリアでもあります。「町屋だけでなく、お寺や武家の文化についても知ってほしい」と高橋さんがこのお寺を紹介してくれました。

淨念寺は、日本最大の白壁土蔵造のお寺。お寺というと、木造のイメージがあったので、白壁ということにまずびっくりしてしまいました。こうした背景もあり、平成3年には国の重要文化財に指定されました。また、「奥の細道」の途中に芭蕉と曽良が参詣したお寺としても知られているそうです。

さて、お寺の文化について学んだ後は、お昼を食べようと街中へと繰り出します。せっかくであれば村上らしい食を味わってほしいということで、海鮮物のショップにお食事処を併設する「越後村上 うおや」へと向かいました。

ショップ内には、お土産品が多数!乾かした鮭をスライスし、日本酒に浸して食べる「鮭の酒びたし」や天然の岩牡蠣など村上市自慢の海産物が店内に並んでいました。

美味しそうな品々を横目にお腹を減らした一行は、お食事処へと急ぎます。ここで食べられるのは、キラキラと輝くイクラが印象的な「海鮮御膳」と、ふくよかな香りが魅力の海鮮カレー。海が近いからこその魅力が詰まった料理で、大満足の食事となりました。

鮭の文化が色濃く残る村上市

お腹も膨れたところで、まちあるきの本番です。まず向かったのは、「千年鮭 きっかわ」。宿を立ち上げるまできっかわで勤めていた高橋さん。「どんな案内をしてくれるのだろう?」とワクワクしながら向かうと、「目からウロコの連続…!」というほど、知らなかった知識をたくさん教えてくれました。

高橋さんによると、村上市では千年以上前から鮭を使った加工品をつくってきたそう。

村上では鮭を吊るすときに尻尾を上にして吊るしますが、それは“首を吊る“ことをイメージさせないため。武士が多く住んでいた城下町だからこその文化ですね。また、きっかわでは切腹をイメージさせないために、腹をすべて切るのではなく、真ん中のところだけ繋げるようにしています。通常に捌くよりも手間や時間はかかりますが、それだけ言い伝えを大切にしている会社なのです。

こうして鮭の説明を聞いていると、高橋さんが「小学生とかも見学に来るから、たまにとんでもない質問も来たりするんですよ。例えば、鮭ってなんで鮭って言うの?とか。まぁ、答えはあるのですけどね」と…。

一同、「えっ!?」と思わず驚愕。

まさか名前の由来まで知っているとは思わず、ポカンとしてしまいました。聞くところによると、「さ=栄える、け=気で、栄える気を持つ魚」から来ているのだとか。もちろん一説としていわれているだけなので、本当は違うかもしれませんが、高橋さんの知識の深さに驚かされた瞬間でした。

さて、次はきっかわを出て少し歩くと見えてくる、「和菓子処 早撰堂」へ。明治26年に建築された町屋造りの建物。平成16年には町屋再生プロジェクト第1号として外観を大正時代の建築風に改装したそうです。店内には鮭の切身落雁や臥牛の松風、羊かんなど昔から続く和菓子が並んでいます。参加者は各々、好きなお菓子を購入して外のベンチでさっそくいただき、まちあるきの英気を養っていました。

武家の町でもあった城下町・村上市

さて、少し休憩も出来たので、今度は町屋エリアから武家エリアへと歩きます。向かった先は、村上藩時代の武家屋敷「若林邸」。村上のまちあるきというと、町屋の造りに注目が集まることが多いですが、城下町だった村上には武家屋敷も残されています。

国指定重要文化財にも指定されている「若林家住宅」は、茅葺屋根の典型的な中級武家の武家屋敷。建築年代の正確な記録は残っていませんが、1800年前後といわれています。今回のまちあるきでは時間がなかったため、建物内には入らず、庭園のみにお邪魔させていただきました。

建物が大きい分、庭園も広く、草木や花を見ているだけでゆっくりできました。立派な庭園から、村上藩の凄さを垣間見ることができたような気がします。

そのあとは、よやくやへと戻り、各自でZINEづくり。担当のページを決めたら、写真の選定・文章作成をしてもらいました。

仕事で写真撮影や文章を作る機会がある人も多く、送ってもらったデータは素敵なものばかり。村上の文化を知れるZINEになったのではないかと思います。

出来上がったデータはこちら!

次回は7月7日に三条市旧下田町で開催します!気になる方はこちらからご確認ください!→https://www.facebook.com/events/2346138782328926/

この記事のライター 長谷川円香
※本記事の写真は参加者のみなさんの写真を使わせていただきました。

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。