「暮らすように旅をしよう」
こんな言葉が聞こえるようになって久しいですが、「地域のことをもっと知るにはどうしたら良いのだろう?」と考えたことはないでしょうか?
ガイドブックを見ても、押し出されているのはいつも同じ観光地。きっと楽しいし、美味しいものが目白押しなんだろうけど、何か物足りない。
それよりも地域の人ならではのスポットや美味しい料理を出すお店など、ガイドブックにはない旅をその地域に深く入り込んでいる人に教えてもらって、地域の人とも交流できる。
そんな風に地域と関わりたい。そして、こうして体験した内容を電子版の小さな冊子:ZINE(ジン)に残したい。しかもひとりで作るのではなく、参加者みんなでひとつのZINEを作りたい。
そんな想いで、まちあるきZINEのイベントを継続することを決めました。
第1回は東京の知人主催でしたが、2回目以降は引き継いで主催。今回は2回目の開催となった岩室でのまちあるきZINE作りのイベントの様子をレポートしていきます。
初めましてから始まったイベント当日
イベント当日の5月5日(日)は、10連休真っ只中。晴天に恵まれたその日、新潟市内から5人の参加者が集まってくれました。
朝10:30に「すなっく なか」に集合。その日の参加者は、岩室に興味がある人からZINE作りに興味がある人、たまたま近くにいるからといった方まで動機はさまざま。
しかも全員がひとり参加で、初めまして。最初こそ緊張していたように見えた皆さんも次第に打ち解け合い、和気藹々とイベントは進んでいきました。
まずは「すなっく なか」で自己紹介と岩室温泉の説明を。岩室温泉については、今回の案内人中村聡さんにお願いしました。岩室温泉開湯300年の歴史から地元ならではの情報まで、岩室に住む中村さんだからこその話しをしてくれました。
その後は、早速まちあるきへ。まずは旅館「ほてる 大橋」へと向かいます。ほてる大橋は、明治初期に創業した老舗旅館で岩室温泉の源泉をひいた温泉はもちろん天然鉱石の岩盤浴も楽しめる宿です。
コーヒーを飲めるロビーやお土産屋さん、鯉のいる中庭などを観覧。試食でみんながハマったお饅頭は、岩室からすぐ近くの福井集落にある「尚古堂 あめ屋」さん作。あんは白あんで、皮は味噌とザラメが練り込まれています。甘じょっぱい味に病みつきになってしまいました。
そして、次は新潟市岩室観光施設「いわむろや」へと向かいます。いわむろやは観光客だけでなく、地元の人も集う場所。
イベントも多数開催していて、地域の人と交流する機会にもなっています。そこかしこで会話と笑い声が聞こえてきて、地域の温かさを垣間見れたような気がします。
また常設の売り場には岩室で収穫された野菜やお米、他にも周辺地域のお菓子などが並んでいました。
お腹も空いてきたので、古民家レストラン「KOKAJIYA」へと向かうことにしました。その道すがら、案内人の中村さんが「ちょっとここに寄りましょう」と声をかけてくださったのが「岩室温泉 霊雁の湯 源泉公園」。
何かと思うと、岩室温泉発祥の地となった場所でした。
岩室温泉は発見されたのは、300年以上前といわれています。ある日、庄屋が夢で「村はずれの老松の下の岩石の間に霊泉があり、これに浴すれば諸病和らぐ」というお告げを聞きました。翌日庄屋がその一帯を探すと、一羽の傷ついた雁が泉に湯を浴して傷を癒していたといいます。
この伝説の源泉がここ、源泉公園だったのです。
私自身、何度も岩室温泉には行っていましたが、源泉の場所を訪れるのは初めて。ここから岩室温泉のすべてが始まったと考えると、ロマンを感じてしまいますね。
そして古民家レストラン「KOKAJIYA」へ。築100年以上の歴史を持つ古民家を利用したイタリアンレストランです。
メニューは食材の仕入れ状況によって変えているんだとか。オーナーシェフの熊倉さん自らその日の食材をもとにメニューを考えています。この日のメニューは、春蕪とアサリのポタージュと2種のうちから選べるパスタ。
私は自家製パンチェッタのアマトリチャーナを選択しました。パンチェッタとはイタリア語で自家製の豚のバラ肉のこと。厚いベーコンのような見た目ですが、噛むと肉の旨味がじゅわっと浸み出してきます。肉の脂を物ともせず、あっという間に完食してしまう美味しさでした。
実は今回の参加者はみんなKOKAJIYAで食事したのは初めてだったそう。店内の内装から料理まで大満足してくれたようで、主催者としては嬉しく感じました。
さて、お腹いっぱいになりましたが、甘いものは別腹と言わんばかりに、次はKOKAJIYAの目の前にある角屋悦堂でお菓子をいただきます。
角屋悦堂は和菓子や洋菓子を扱うお菓子処。名物は3種類の金鍔で、観光客をはじめ、地元の人も通う岩室温泉に根付くお店です。
店内に入ると、気さくな店員がお出迎え。オススメのお菓子について説明してくれます。参加者それぞれ好きなお菓子を購入。私は参加者・スタッフ含め全員分の金鍔を買い、帰路を急ぎます。
今度は「すなっく なか」へ戻り、ZINE作りのための作業を開始。まずはどのスポットが良かったかを話し合い分担します。そして好きなスポットを担当し、写真加工アプリを使って写真を編集。その後文章を作成し、冊子に落とし込みます。
そうして出来たZINEがこちら!
参加者それぞれの味が出て、思い入れの深いZINEができました。
この企画は私ひとりでやっているわけではありません。学生時代から自分でZINEを作ってきた村山亜紗美さんと一緒に企画しました。とはいえ、村山さんは1回目は参加できなかったため、今回が初めての参加。それでも「今まで冊子を一人か二人くらいでしか作ったことなかったけれど、複数人で電子版で作るとこんなに楽しいのか」と驚いてくれました。
参加者の皆さんからも「岩室のことを知れた」「みんなで協同で作業しながらひとつのZINEを作るのが楽しかった」との声をいただきました。
次回は、5/26(日)に村上市内で実施する予定です!
普段なかなか知れない地域の魅力を教えてもらい、自分たちの手で他の人と協力しながらZINEをつくる。
こんなことに興味がある方、ぜひお越しください。何か気になることがある方もお気軽にお問い合わせください!
村上まちあるきZINEづくり詳細
街歩き案内人は、素泊まり宿よはくやオーナーの
髙橋 典子 (Noriko Takahashi)さん。
まち歩きしながら、みんなでひとつのZINEを作りましょう◎
ざっくりこんな内容です◎
・「村上市」の紹介とまち歩き
・画像編集&文章作成
・6〜8ページの雑誌つくり
・完成版ZINEデータの受け渡し
▼日程
日時/5月26日(日)
場所/よはくや(新潟県村上市細工町4−23)
参加費/500円(ドリンク代として、よはくやにお支払いします)
▼タイムテーブル
10:15 受付、開場
10:30 ワークショップ説明
自己紹介
11:00 まち歩きスタート(最初にご飯を食べにいきます※実費)
14:00 まち歩き終了
*雑誌づくり開始
・画像編集のコツ紹介
・文章作成
15:30 質疑応答
16:00 終了、解散
▼持ち物
筆記用具、スマートフォン、お持ちの方はカメラ
▼申し込み方法
http://ptix.at/VxNOQn
または、長谷川円香のメッセンジャーにご連絡ください。
※本記事の写真は参加者のみなさんの写真を使わせていただきました。
この記事のライター 長谷川円香
※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。