拡大する医療機器産業に、地域に眠る技術力で挑む!/JMR株式会社【Change Leader vol.11】

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※この記事は新潟県中小企業団体中央会・ものづくり支援センターさまとのタイアップ記事です。

新潟県では数多くの魅力的な企業が活躍しています。このコーナーでは「前向きに自らを変化」させることで、新たな価値を生み出す「Change Leader(チェンジ・リーダー)」をピックアップ。

第11回は白内障の手術時によりスムーズに作業が進むように「ソリューションチップ」を開発したJMR。 新潟県内の数少ない医療機器の販売製造元として、産学官と協力しながら幅広く活動しています。

現場の小さな声に耳を傾け、こんなの欲しいをカタチに。

世界的に高齢化が進む中、医療機器業界は成長産業として注目されています。ただ医療機器と言っ ても、注射器やメスといった消耗品か ら、人工呼吸器などの中型機器、MRIや手術支援ロボットなどの大型機器まで様々。特定の用途に特化された機器が多く、医療現場には小さな課題や ニーズが眠っています。

そこでJMRが注目したのが、一年間 に100万眼行うともいわれる白内障手術。医師から水晶体を吸引する管に水晶体が詰まりやすいという悩みを聞き、 吸引口の管内に段階的なエッジを設けた吸引管を考案。平成24年度ものづくり補助金(※)を活用し、水晶体を段階的に破砕して吸引する、エッジ付き吸引管『ソリューションチップ』を開発。 “かゆいところに手が届く”商品は、吸引性や持続性などで高い評価を得て商品化。日本と米国で特許を取得し、 引き合いも増えています。

※ものづくり補助金… 経済産業省・中小企業庁が、生産力向上に資する設備投資等を支援する事業の通称

また燕市のものづくり企業とともに、 医療機器研究会に参画。医療現場のニーズと産地の技術力をマッチング させることで、新たな価値を生み出しています。これまでに複雑な形状 の耳内手術用メスや、カラーリング加工で色をつけた器具などを開発。こうして生み出した商品を海外へ発信することも含めて、進化し続ける医療業界の中で存在感を高めていきます。

Change1/手術時の課題を解決! 効率的に水晶体を削る機器を開発

ものづくり補助金を活用し、チップを取り付ける超音波ハンドピースやホルダー、チップテスターなどを購入。細かい加工が可能な提携製造所の技術を用い、11種の試作品を製造。トルネード形状の吸引管を完成させました。また管理・搬送・保管の側面からパッケージデザインも変更。医師等の意見を取り入れ、扱いやすい商品開発に取り組みました。

Change2/海外の展示会に出展し、多くの来場者の前で発表

ドイツで開催される世界最大規模の医療機器展示会「Medica」に参加し、壇上で発表する機会を得ました。この台本のチェックを専門家に依頼したところ、「直訳は厳禁」と指摘を受け見直すことに。指導後は、「より伝わる英語」として台本が完成しました。当日の評価は上々で中 国や欧米の方もブースを訪れてくれました。

Change3/医師やメーカーからのニーズと燕のものづくり技術を繋げ合わせる

平成23年度から医療機器市場への参入を目指して始まった「燕市医療機器研究会」。従来の医療機器を使いやすく改良したり、医師やメーカーから「こんな機器が欲しい」といった話を受け、試作品を製造したりとニーズに合った商品開発に取り組んでいます。JMRは依頼元と燕のものづくり企業を繋げる役目。どんな商品が求められているかを聞き出し研究会に持ち帰り、試作品開発に取り組んでいます。

県内の製造・販売業と 連携し、“オール新潟”で 世界へ売り出す

新潟県内で医療機器の製造・販売どちらも扱える企業はごくわずか。そもそも医療機器の業界は、医療機器を製造する製造業、厚生労働省に対し安全性と有効性を証明・販売 する製造販売業、承認済の商品を病院へ卸す販売業の3つに分かれています。当社は製造から販売まで一社で行える利点を生かし、県内各地の医療機器製造の企業と共に新たな機器の試作品作りに取り組んでいます。今後は県内にいる販売業者と協力し、新潟県で製造した商品を“オール新潟”で売り出せる体制づくりに努めていきたいです。

代表取締役 笹崎 淳さん

商品ピックアップ『ソリューションチップ』

白内障の超音波乳化吸引術を 実施する際に、超音波ハンドピースに取り付けて使用する 吸引チップ。 先端部の内部に渦巻状の段加 工を施すことで、スムーズで安定した吸引が可能になりま した。

会社概要

JMR株式会社
2011(平成23)年、新潟県内で長く医療機器の開発に携わってきた 代表の笹崎氏が創業。医療機器製造販売業を中心にOEM製造や医療コンサルティングまで幅広く対応する。最大の特徴は開発から製造まで扱う一貫体制。新潟県内には少ない医療機器の製造から販売まで扱う会社として産学官と協力し、 より使いやすい機器を生み出す。

住所:新潟市西蒲区大原641
TEL : 0256-77-8808
HP : http://jmr-lab.co.jp/

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。