健康志向の現代でも、塩分を気にせずに使える味噌を開発!/石山味噌醤油株式会社【Change Leader vo.13】

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※この記事は新潟県中小企業団体中央会・ものづくり支援センターさまとのタイアップ記事です。

新潟県では数多くの魅力的な企業が活躍しています。このコーナーでは「前向きに自らを変化」させることで、新たな価値を生み出す「Change Leader(チェンジ・リーダー)」をピックアップ。

第13回は塩を一切使わない味噌を開発し、日本で初めて市販した石山味噌醤油。 食塩摂取制限者でも楽しめる塩分0%の味噌風調味料を増産する体制を整え、受注増のチャンスに挑みます。

微生物の特性を活かした特許技術を確立

味噌の国内生産量は、和食離れや減塩を気にする人の増加により、ここ20年で10万トン近く減少。各味噌会社は、減塩味噌の製造に力を入れ始めました。しかし、普通の味噌の塩分濃度は12%、減塩味噌でも9~5%と、塩分の高い調味料というイメージを変えるほどではありませんでした。

そこで、石山味噌醤油は新潟県や新潟市、新潟大学と共同で「塩を全く使わない味噌」の開発に着手。通常、味噌は塩で雑菌の繁殖を防ぎながら発酵させますが、塩を使わないとなると、雑菌を抑える特殊な技術が必要です。3年間の試行錯誤を経て完成した無塩みそは、発売時から予約が殺到。しかし、従来の味噌とは製法が異なるため、既存の味噌の設備は使えません。また、ロス率の高さにも悩んでおり、量産は難しい状況でした。

そこで、ものづくり補助金(※)を活用して、生産設備を整備することに。雑菌に負けず、発酵の早い専用の酵母を培養する「培養装置」 と、仕込み時に雑菌の混入を極力防ぎ、加熱処理が容易で取り回しの良い「仕込みタンク」を購入。強い酵母と、徹底した衛生管理が可能な設備により生産能力は10倍となりました。

※ものづくり補助金… 経済産業省・中小企業庁が、生産力向上に資する設備投資等を支援する事業の通称

無塩みその他、塩分1%・2%の超低塩味噌も製造。全国ネットのテレビで紹介されたこともあり、売上は設備投資前の約5倍となりました。特に塩分摂取制限者には手放せない商品となっています。

Change1/ものづくり補助金を活用し、無塩みその量産体制を整備

無塩みその増産を目指し、補助金を活用。「培養装置」を導入したことで高品質な酵母の量産に成功。また計8基の「仕込みタンク」を購入し、一度に2,000kgの仕込みが可能となりました。結果、以前は年間約10,000kgだった生産量が、年間約100,000kgまで販売できるようになり、量産体制を整えることができました。

Change2/展示会への出展がきっかけで テレビに出演

2018年に東京で開催された「中小企業 新ものづくり・新サービス展」に出展した際、無塩みそが全国ネットの番組に取り上げられました。テレビの影響力は絶大で、番組放送後には通常の約5倍もの注文が。番組を担当した制作会社には「新商品が発売したら教えて欲しい」と声をかけてもらいました。

Change3/組合を作って、生産者・販売者とも連携

味噌に限らず加工食品の開発にも力を入れてきた石山味噌醤油は、生産者や販売者を巻き込み、「にいがた食と農の加工連携事業共同組合」を結成。開発した商品を店頭でテスト販売できる体制をつくりました。「佐渡黒豚醤油そぼろ」など、今までの技術を生かした新商品を開発。今後は少量での一次加工にも取り組む予定です。

無塩みそをメインに据えながら、他企業と連携し新商品開発に励みたい

現在、自社・OEM製品を含め、取扱点数は300ほど。卵かけ醤油やラーメンのスープからディップソースまで幅広い商品を取り扱っています。これは以前から会社全体がスピード感を持って商品開発をしてきたおかげ。今後は無塩みそを売上の柱としながらも、生産者や販売者と連携を図り、流通体制を整えることで、今まで見えなかった需要やお客様の要望を商品に反映していければと思います。また会社のある新潟市南区はフルーツの生産が盛んな地域。近隣農家と組み、新潟らしい商品、さらには当社が研究してきた発酵の技術を生かした商品開発に取り組んでいきたいと考えています。

常務取締役 養田 武郎さん

商品ピックアップ『塩分0%味噌風調理料 (無塩みそ)』

新潟県産大豆、新潟県産米を使用。他の味噌と混ぜて使うこと で、お好みの味に調整できます。塩分1%・2%の味噌は普通の味噌と遜色ない形で調理が可能です。(販売価格/500g 税込810円)

会社概要

石山味噌醤油株式会社
明治39(1906)年、味噌蔵として創業。現在は無塩みその製造・直接販売の他、各種食酢やおかず味噌、だし醤油、塩麹、業務用調味料など、発酵食品を中心とした加工食品の製造販売、OEM商品の生産を行っている。スピード感ある商品開発が得意で、取扱アイテム数は300を超える。

住所:新潟県新潟市南区西萱場478
TEL : 025-375-4799
 HP :http://www.ishiyama-miso.co.jp

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。