一度は行っておきたい、県立歴史博物館

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この記事のライター あらきやすし(会社員)

長岡市にある「新潟県立歴史博物館」通称『歴博(れきはく)』へ、先月行ってきました。

『歴博』ですが、公式サイトには

新潟県立歴史博物館は、新潟県の歴史・民俗を総合的に紹介する歴史民俗博物館としての性格と、全国的・世界的視点から縄文文化を広く研究・紹介する 縄文博物館としての性格をあわせ持った博物館です。

と紹介されています。

どこの博物館も同じですが、通年で公開されている『常設展』と、その時々で開催される『企画展』の二つがあります。(企画展観覧料で常設展も観覧できます。また常設展のみの観覧も出来ます。)

という事で、先ずは『企画展』から観覧してきました。

新潟平野は海の底!?謎の古地図展

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企画展は『謎の古地図-新潟平野が海の底か!?』と題し、新潟県内、特に蒲原地方で多く出回っていた「寛治康平の図」と呼ばれる古地図を展示・紹介していました。(この企画展はすでに終了しています)

この「寛治康平の図」は、新潟平野のほとんどの部分が海になっており、大きな半島が日本海に突き出しているという奇妙なもの。平安時代頃の越後の国を描いた地図とされており、この謎の半島は大地震の際に発生した大津波で一夜にして消滅したという伝承も残っています。しかし、そのような大地震・大津波があったという記録は無く、またそのような痕跡も発見されていません。

最近の研究で、これらの古地図は後世(江戸~明治時代)に作られ流布されたものとの論争が起きています。先人が残した「ハザードマップ」ではないかとの説もある、この謎に満ちた古地図に、すっかり魅了されてしまいました。

残念ながらこの企画展は貴重な古地図・古文書を展示している事もあって撮影禁止でした。(写真は配布されていた資料を写したものです。)

 

続いて常設展に進みます。こちらは広い敷地を活かし、とても見応えがある展示が連なっています。

新潟県のあゆみ

先ずは古代から近代まで、新潟県のあるみを一気に紹介する「新潟県のあゆみ」です。最初に目に入るのは新潟県で出土した石器類の展示。その数の多さに圧倒されます。

03-rekihaku続いて気になったのがこちら、古代の「越後国」の成り立ちを示した地図です。

「越後国」「佐渡国」が誕生したのは7世紀の終わりごろ。この当時の「越後国」は阿賀野川より北側、新潟県のほとんどの地域は「越中国」でした。(写真の一番上の地図)

西暦702年、ほぼ今の新潟県の形が出来上がります。ただ、この頃は山形県の一部分も「越後国」でした。(写真の真ん中の地図)そして西暦712になると、「越後国」に入っていた山形県の部分が「出羽国」に分かれます。(写真の一番下の地図)

その後、西暦743年に「佐渡国」が「越後国」に編入されますが西暦752年に元に戻ります。

なるほど、これが明治維新後に廃藩置県を経て、現在の新潟県になるんですね。(注:廃藩置県の際は越後の国は水原県や柏崎県などの複数の県に分かれ、佐渡国は佐渡県→相川県となります。その後統合されて現在の新潟県になります)

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こちらは江戸時代に描かれた「越後国」の古地図。これも思いっきり大きく展示されているので圧倒されました。越後人は地図が好きだったらしく、このような古地図がたくさん残っているそうです。

前述の「寛治康平の図」もそうですが、昔は今の地図と南北逆に描いていたんですね。

05-rekihaku他にも、伝統芸能や文化、産物などさまざまな展示があります。写真は江戸時代、佐渡金山で採掘された金銀を江戸へ運ぶ行列を再現したミニチュア。佐渡金山が江戸幕府250年の財政を支えたとも言われてます。

06-rekihaku近現代の新潟県の資料も展示しています。写真の奥の方に写る映画館の部分は、新潟市の「大竹座」の大正時代の様子を再現しているそう。

えーと「大竹座」って古町8番町にある、ボーリング場や飲食店が入っているあの建物だと思うのですが。昔は映画館だったのですね。

豪雪地・高田の雁木通りを体感

県外の方が持つ新潟県のイメージ、ってやっぱり「雪国・豪雪地」だと思うのですが、そんな新潟県の「雪とくらし」を展示するコーナーがこちら。

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写真では伝わりにくいのですが、これ『原寸大』の模型です。昭和30年代の高田(上越市)の雁木通りを再現しています。建物の2階くらいの高さまで積雪が。

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この雁木の下では、まるで地下街のようになっていています。雑貨屋や下駄屋などが再現されています。

その雪の下にある雁木通りを歩いて、当時の商店の様子を見ることが出来ます。

近年では、除雪の技術・体制も進み、さらに温暖化もあってか以前ほどの積雪が無くなり、このような、文字通り雪に埋もれるような光景は見られなくなりました。それだけに、この展示はかなり貴重なものですね。

そして縄文時代へタイムスリップ

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常設展、順路的には最後の方になって「縄文時代」パートに突入します。

『全国的・世界的視点から縄文文化を広く研究・紹介する 縄文博物館』と謳うだけあり、ここもかなり力が入っています。

コーナーに入ってすぐに目に飛び込んでくるのが、原寸大の復元模型です。住居や狩猟の様子など、縄文時代の新潟県の人々の生活の様子を再現し。この住居模型も、すぐ近くに寄って見ることが可能です。

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新潟県で縄文時代と言えば『火炎土器』です。火炎土器の大半は新潟県の信濃川流域で出土しています。ここでは、ほぼ全形が判明している火炎土器約90点を展示。これもまた圧巻でした。

他にも、新潟県の米づくりを展示したコーナーなども。紹介したのはほんの一部分で、にも様々な資料が展示されています。また、直接手に取って見る事のできる展示も多数あり、歴史好きじゃなくても、楽しめるようになっています。

新潟県立歴史博物館は、長岡市関原にあります。北陸自動車道長岡インターから5分ほど、JR長岡駅からはバスで約40分のアクセス。

中学生以下は無料となっていますので、ぜひお子様とご一緒に行かれてみてはいかがでしょうか。

博物館紹介

新潟県立歴史博物館 http://nbz.or.jp/

  •  開館時間: 午前9時30分~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
  •  休刊日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合は、その日以後の休日でない最初の日) 年末年始(12月28日~1月3日) ※臨時休館、臨時開館する場合もあり。(その都度ホームページで告知します。)
  •  住所:〒940-2035 新潟県長岡市関原町1丁目字権現堂2247番2
  •  TEL:0258-47-6130(代)

あらきやすしライター あらきやすし(会社員)

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。