毎年7月末の週末に開催されているFUJI ROCK FESTIVAL(以下、フジロック)。
「行きたいけど、お金が高くて…」「準備のハードルが高すぎる」
そんな声が聞こえてきそうなほどフジロックのチケット代は高いのが現実です。しかし実はフジロックには無料で楽しめる方法があるのです。
今回は、そんな無料で楽しめる方法と、フジロッカーならではのフジロックの遊び方をゲストのおふたりに聞いてきました!そして、フジロック未経験者も交えて、座談会形式でお送りします。
「え?無料で楽しめる場所があるの?」「え!?フジロックから会社に出勤???」
と、今まで知らなかった内容もたくさん!フジロッカーの皆さんは、「ああ、そうそう!」と写真を見てにやにやしながら、フジロックに行ったことのない方は「え!そんなところなの!?」と驚きながら、ぜひ読み進めてみてください。
【座談会に参加する人】
<フジロッカー>
ジュリアン
柏崎市在住の会社員
過去のフジロック参加回数:7年
初めてのフジロックは、レッチリ見たさに職場の先輩と一緒に。
現在は、前夜祭と場外・THE PALACE OF WONDERで遊び、実質無料でフジロックを楽しんでいる
ひろみ
小出在住の会社員
過去のフジロック参加回数:7年
初めてのフジロックは、職場の先輩に連れられて行った前夜祭
現在は、ほぼ一人でフジロックに参加。今年は初の3日間参加する予定
<フジロックに行ったことがない人>
ハヤシユウ
フリーの歌うたい・音楽図書室のオーナー
フジロックは行きたいけど、①〜③の理由が気になるので行ったことがない。
① チケット代が高い
② 交通手段がない
③ 天気が心配
会場は、長岡市にある「音楽図書室」をお借りしました。ハヤシユウさんの音楽制作の拠点であり、カフェやライブスペース、図書室としての機能も併せ持っています。2018年のフジロック開催時には、初めて配信されたYoutube配信をこの場所で流したんだとか。
職場の先輩と一緒に行った、初めてのフジロック
―今回はフジロックの魅力をフジロッカーのお二人に聞いていきたいと思います。フジロック未経験のハヤシユウさんは所々で気になるところを聞いていってくださいね。
では、まずジュリアンさんから。フジロックに初めて行ったのはいつですか?
ジュリアン:えーっと、いつだろう?ノエルが来ていた年に、会社の先輩に誘われて行ったのが最初ですね。
―会社の先輩にそういう人がいるって羨ましい…!
ジュリアン:しかも先輩が何でもしてくれて…。「帽子とお金とかの荷物だけ持って来れば、あとは全部こっちで用意してやるから」っていって本当に椅子とかまで用意してくれていたんですよ。
―なんですか、そのかっこよすぎる先輩…。
ジュリアン:それで、グリーンステージ(会場内で最も大きなステージ)にシートと椅子を置いて、あとは各自でステージを観に行くといった感じでした。
―それはもう先輩が最高ですね、本当に羨ましい。ひろみさんの初参加はどういった経緯でしたか?
ひろみ:私は職場の先輩からフジロックの話を聞いていて、初めての年は前夜祭のみ参加しました。
―初めてのフジロックで前夜祭のみ!それは貴重な気がする…!苗場に近い新潟県民だからこその遊び方ですね。
ハヤシユウ:え、ちょっと待ってください。前夜祭って何ですか?
ジュリアン:前夜祭はフジロック開催前日の木曜日に開催されていて、DJブースがあったり、アーティストのライブがあったりと、それだけで充分楽しめるイベントって感じですかね。
ひろみ:しかも無料なんですよね!苗場音頭っていう盆踊りがあったりして。初めて行ったときは「ロックなのに、盆踊りもアリなんだ!」ってびっくりしました(笑)
ジュリアン:外国人もいっぱいいるから、一緒に乾杯して仲良くなったりもしますよね。
ひろみ:そうそう、はじめて行ったときは「苗場にこんなに人がいるの!?」って(笑)しかも、年々来場者数が増えていってる気がします。
―「フジロックの前夜祭が一番楽しい」っていう人もいますよね。
ジュリアン: 前夜祭は、フジロックの前哨戦。これからの3日間を感じることができる時間ですね。オアシスっていう飲食店がたくさん出ているエリアで、音楽を聴きながらお酒を飲んだり、友達と話したりしているのが、本当に幸せです。
―あれ、お二人とも木曜日はお仕事ですよね?だいたい何時頃から行くんですか?(前夜祭のゲートが開くのは、18時)
ひろみ:19時くらいには着くようにして行きますね。それでご飯を食べてたり、ライブを観たり。そのあとは、22時頃に帰ります。
ジュリアン:僕は20時から24時まで遊んで、そのまま駐車場の車の中で寝て、帰宅。シャワーだけ浴びて、出勤します(笑)
―もはや苗場からの出勤…!(笑)
ハヤシユウ:ちなみに会場にシャワーとかあるんですか?
ひろみ:会場の外に「雪ささの湯」という入浴施設があるんです。時間帯によっては、混んでることもありますが…。
ジュリアン:でも他にも道中には色んな温泉があるので、難しそうだったらそっちに行くのも手段ですよね!
おすすめのエリアと、そこでの楽しみ方
▲FUJI ROCK FESTIVAL’19 STAGE地図(公式サイトより引用)
―ちなみに、フジロックのなかで、お二人のオススメのエリアはありますか?
ひろみ:FIELD OF HEAVEN(以下、ヘブン)ですね。入り口から歩いて30分くらいの結構奥地にあるエリア。行くのは疲れるんですが、あの空間が好きなんです。ボードウォークという森の中を歩く木の遊歩道があって、パッと開いた感じ。結構長い時間ヘブンにいることもありますね。
―ヘブン、雰囲気があって良いですよね。ジュリアンさんはどうですか?
ジュリアン:僕は、THE PALACE OF WONDER(以下、パレス)です。ゲートの手前にある夜にしか開かないエリアで、新人アーティスト登竜門ともいえる「ROOKIE A GO-GO」があったり、どでかいメリーゴーランドがあったりと他とは一線を画するエリアです。
ジュリアン:昨年は、チケットを買わずにパレスで夜通し遊んで、少し仮眠して帰って寝て、また夜に来て遊ぶという楽しみ方をしていました。
―パレスも無料で入れるんですもんね。駐車場って空いているものですか?
ジュリアン:日中遊んで帰る人も多いので、結構空いてますよ。
―なるほど。でもわざわざ1回帰ってまた来るんですよね。パレスの何がそんなに魅力なんでしょう?
ジュリアン:ステージも目的ではあるんですが、深夜のゆるい雰囲気のなかでゆっくりとホットワインを飲みながら、友達と話したり、音楽を聴いたりするのが、最高なんですよね。
―え、7月末なのにホットワインですか!?
ジュリアン:いやだって、寒いんですよ!なんたって、ほぼスキーウェアみたいな格好で行きますからね!笑
―本当ですか…!確かに夜中に遊ぶとなると、防寒対策は大切ですよね。ハヤシユウさんも天候が心配と言っていましたが、夜の苗場は本当に寒い!ここは声を大にして伝えたい部分ですね。
―あと、玄人になると、場外のエリアで飲んでいる人も多いですよね。
ジュリアン:僕もパレスに行く前に一杯場外で飲みます。柏崎から約2時間移動してきて、ヘッドライナーの曲を聴きながら、飲むって最高なんですよね。
「これは持ってけ!」という持ち物は?
―ちなみに、最低限これは必要だってものはありますか?
ジュリアン:僕は、椅子かな?雨が降ると座れなくなっちゃうから。あと、便利なのは、懐中電灯!夜は本当に何も見えないから。携帯は電池を消耗するからできるだけ使いたくなくて。
カメラマン:でもぶっちゃけ、お金と携帯さえあれば何とかなるけどね。
一同:確かに!
―意外と苗場には何でも揃っているし、気負わずに来て欲しいですよね。最後にお二人からフジロックに行きたいけど、いま一歩が踏み出せない人に向けて一言をお願いします。
ジュリアン:新潟県内のフェスだし、2時間ちょっとの移動でいけるこんな大きいフェスって他にないんですよね。
友人と飲んでいるときに聴こえてきた音楽に「え、このメロディー、かっこよくない!?」って言って、走ってライブを観に行くこともあります。そんな風に知らないアーティストを楽しめるのもフジロックならではだと思います。
ひろみ:とにかく新潟県民はフジロックが近い!大自然の中で音楽を聴ける開放感、ヘッドライナーの盛り上がりの一体感、普通じゃ一度に見られない豪華アーティストのステージ。これが少し足を伸ばせば体感できるんだからすごいことだと思います!
初めて行く人は新潟県内でこんなことが行われてるなんて、たぶん衝撃を受けるんじゃないかなと思っています。興味があるけどなかなか行けないって人は私が連れてくからあの衝撃味わってほしいくらい!(笑) ハヤシユウさんも交通手段がないのであれば、連れていきますよ!
ハヤシユウ:か、考えておきます…!
―交通手段問題も解決しましたね(笑)お二人のお話で私もたくさん勉強できました!ありがとうございました!
開催まで2ヶ月を切ったフジロック。最初は前夜祭や夜中のパレスで無料で遊んでフジロックの雰囲気を感じるのもアリではないでしょうか?そしたらきっと、会場内の雰囲気が気になって、来年からは立派なフジロッカーになっているかもしれませんよ。
この記事のライター:長谷川円香(fujirockers.org)
写真:アリモトシンヤ(fujirockers.org)
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