多様なカルチャーと内野の日常が交差する食堂「ウチノ食堂」

スポンサーリンク

美味しそうなカレーや定食。店内に並ぶ様々な本の数々。内野駅から歩いてすぐの四ツ角にウチノ食堂というお店があるのはご存じでしょうか。 

こちらの記事では内野にて定食やカフェが楽しめる食堂でありながら、本の販売、ZINEの取り扱いなどなど様々な顔を持つ「ウチノ食堂」がいったいどんなお店なのか、店主の野呂さんにお話をお伺いしました。 

野呂 巧  
大学在学中から東南アジアからスペインなど巡る。故郷である新潟に戻って来てからはゲストハウスを立ち上げた後に、2017年にウチノ食堂をオープン 

定番からエスニックまで、様々な顔を持つウチノ食堂 

______カフェや本屋にも見えますがウチノ食堂はどんなお店なんですか? 

お客さんからも「ここはどんなお店なんですか」と言われますが、ウチノ食堂はその名の通り食堂です。元々は200年近くお魚屋さんだった場所で「鮮魚・仕出し 藤蔵」だった空き店舗を改装して「ウチノ食堂」として3年前にオープンしました。メニューはイツモの定食という週替わりの定食や、糀を使ったスパイスカレーなどを提供しています。 

▲糀のチキンカレーはスパイシーながら麹によって味わいやすいどこか優しい味。
イツモの定食はその週によって、その季節の味や異国の味まで楽しめる。 

______イツモの定食?どんなメニューなんですか? 

一般的な定食のような唐揚げなども出しますし、海外に旅に出たときに食べた味を思い出して定食に取り入れたりもします。例えば、今週(取材日は、2020年3月13日)は生姜に漬け込んだ鶏肉を焼き上げ五香粉※で味付けしたものに、季節の野菜を付け合わせたものを出しています。 

※中国の代表的な混合スパイス。スターアニスやクローブ、花椒など5種類のスパイスをブレンドしたもの。 

______様々な料理を出されているんですね。メニューはどのように決められているのですか? 

まず、食材は内野の食材を使うようにしています。例えば、味噌汁は内野のマルカク醸造場さんの味噌ですし、豆腐は山際豆腐さんの豆腐を使用しています。 

内野の食材を使う他には、メニューを決める時には”気分と季節”を大切にしています。季節や気分によって人は身体が欲する物が変わると思っていて、それに合わせてその時期に何が実るかであったり、今週自分が何が食べたいかを踏まえてメニューを決めています。 

▲インスタグラムからも様々な定食を提供してきたことが伺える。 

______次、来た時のメニューも楽しみです。 

イツモノ定食のメニューは来店してみないとわからないので、お客さんの中には子供の頃にやったガチャガチャを思い出してガチャと呼ぶ人も。(笑) 

______ガチャガチャですか。確かにそう言われるとワクワクしますね。 

▲定食、カレーだけでなくコーヒーやチャイ、チーズケーキなどのメニューもあるためカフェ利用もできる。 

食堂の中に本屋さんが!? ウチノ食堂の中のAPARTMENT BOOKS  

______本屋さんのようなスペースがありますがこちらは? 

「APARTMENT BOOKS」という本屋です。各本棚の選書は、それぞれ書店の店主となった方に担当していただいているのでラインナップも様々です。現在は5人の方に店主となって選書していただいています。新刊、古本、ZINEの取り扱いがあります。 

______各棚で店主の異なるアパートメントな本屋なんですね。ところで、ZINEって何ですか? 

少部数で発行する自主制作の出版物のことです。ざっくり言うと個人で作った本のことですね。例えば、こちらのZINEはカフェをやりたいと志す女性が作った本の形をした架空のカフェというコンセプトのZINEです。ZINEはこんな風に作り手の想いを自由に表現できる物なんです。 

▲右手前にある青色の ZINE は”架空のカフェ”というコンセプト。他にも様々なZINEが並ぶ。 

ウチノ食堂から内野に広がる輪が面白い 

______展示のようなスペースがありますがこちらは? 

「ウチノ商店 一〇〇番地」という名前でウチノ食堂の中で行っているポップアップストアです。具体的には、一緒に何かやりたい、応援したいと思った方の作品の展示などを行っています。こちらの展示は、現在は新潟市西蒲区福井での米作りの様子を展示しています。 

______食堂だけでなく、本屋さんがあったり展示をしていたり盛沢山ですね。 

小さなスペースではありますが、展示が行われたことでそこから広がっていくものがあって楽しいんですよ。ウチノ商店に出店したお店の中に「ゆよん堂」という古本屋さんがあるのですが、ウチノ商店の出店がきっかけで縁あってAPARTMENT BOOKSの一角に出店してもらい、今では店舗を持たない古本屋さんから実際に内野にお店を構える「ゆよん堂」になったんですよ。 

______素晴らしいストーリーですね。ゆよん堂も行ってみようと思います。 

▲2019年7月に実店舗を構えたゆよん堂。APARTMENT BOOKS出店当時はお店はなかったが、今では同じ内野にお店も構えている。 

______最後に、内野の食材を使ったイツモの定食、APARTMENT BOOKS、ウチノ商店などウチノ食堂は様々な人を応援している感じがしますね。 

自分がお店をするにあたって周りの人が生きやすい環境を作るのは大切だと思っていて。例えば、自分の場合だと自分は料理をすることでお客さんと関わりを持つことできています。そういった関わり方は人それぞれで、物を作ることだったり、お酒を造ることだったりするはずです。私自身、料理をすることで笑ってくれる人がいたら楽しいですし、そういった考えや体験があったからこそ、周りの人達の試みを応援したいという気持ちはありますね。 

様々な顔を持つイツモの定食、複数の店主の選書が並ぶAPARTMENT BOOKS、新しい広がりをみせるウチノ商店、ウチノ食堂は食堂でありながら食堂という言葉の枠を超えて、様々なカルチャーが交差する場所でした。 

最近はイツモの定食のお持ち帰り弁当もスタート。家でもウチノ食堂が味わえるなんて素敵ですね。お弁当のお申込みはウチノ食堂のSNSのDMからも問い合わせできるそうです。 

ウチノ食堂 
新潟県新潟市西区内野町1053-1 
営業時間 12:00~18:00 
定休日 日・月・火 
Twitter Instagram 

この記事のライター:としお Twitter 
サウナ・ボードゲーム・クラフトビールを愛してます。最近、新潟市の内野に移住してきました。 

スポンサーリンク

※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。