前回投稿しました、マーカスのパン屋さんと同じ『羽茂大市』では、佐渡の伝統芸能『文弥人形』の公演も行われました。
『文弥人形』とは、国の重要無形民俗文化財にも指定されている伝統芸能です。もともと佐渡金山で賑わっていた佐渡では人形芝居が盛んでした。明治になって、その「人形芝居」と“盲人の座語り”であった「文弥節」が結びつき「文弥人形」となりました。
近年では後継者不足もあり、なかなか観る機会も少なくなってしまいました。滅多にない機会なので、会場へ行って見ました。
当日は寒波襲来で大雪となった佐渡地方ですが、この時間の羽茂周辺は奇跡的に青空が広がりました。
ここが文弥人形公演の会場です。・・・商店街に面した民家の軒先と玄関口を借りての舞台です。
通常は屋内で公演する事が多いのですが、この時は「ストリート文弥人形」と銘打ち、まさに路上に舞台を設置しました。羽茂大市会場は交通規制が掛かっていなかったこともあり、公演中も自動車や歩行者が舞台前を横切っていしまいます。
「伝統芸能を鑑賞する」環境としては、決して恵まれているとは言えませんが、このように身近なところで「伝統芸能」を楽しむ事ができるのも、佐渡の魅力の一つです。
百聞は一見に如かず、という事で実際の『文弥人形』を動画でご覧ください。
「虫紋座」の皆様の公演で、演目は「源氏烏帽子折」の第一幕です。
第二幕、第三幕はこの日の昼過ぎ・夕方に分けて上演との事でした。時間の都合上、この「第一幕」しか鑑賞できませんでした。
一見、シュールな公演のように思えますが、こういう場所で、まさに町の中・市の中で公演を行い、気軽に楽しむ事が出来るところが、伝統芸能の「あるべき姿」の一つではないかと思いました。
佐渡には他にも「説教人形」「のろま人形」といった人形芝居の他、数多くの伝統芸能が息づいています。
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