中之島・栃尾の「刈谷田川」を通じて歴史文化に触れる【越後長岡・まちめぐり】に参加してきた

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唐澤頼充この記事のライター 唐澤頼充(ライター/編集者)
長岡市で開催されたバスツアー「越後長岡・まちめぐり」。10/25の中之島地域と栃尾地域のツアーに参加してきました。このツアーは平成の大合併で広域合併した地域のうち2地域を共通のテーマで結び、つながりをみつけようという試みです。それぞれの地域の実行委員会メンバーの地域住民が「ここを観てほしい!」と選んだ場所を巡る、普通の観光ツアーでは見られない所を回ることが出来き、新しい発見があるツアーになっています。
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秋晴れに恵まれたこの日、中之島と栃尾と一見離れた地域をつなぎます。二つの地域の共通点は、「刈谷田川」周辺の暮らし。刈谷田川の上流と下流を巡りながら、川にまつわる歴史や文化がもたらした暮らしの知恵に触れる旅へ出発です。この日のスケジュールは以下の通りで、午前中に中之島地域を、午後は栃尾地域を巡ります。
  • 集合:8:30
  • 【午前】中之島地域「車窓から刈谷田川をガイド」~「大竹邸記念館」~「与茂七地蔵」~「入澤記念庭園」
  • 【昼食】栃尾地域「ドライブイン刈谷田」
  • 【午後】栃尾地域「刈谷田川ダム」~「栃堀散策・巣守神社」~「道の駅R290とちお」
  • 解散16:00
①中之島「車窓から刈谷田川をガイド」

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まず最初にバスは中之島地域を巡回。合併前は中之島町で、長岡市と見附市の間にある町でした。信濃川と刈谷田川に挟まれたまさいに「島」のような場所で、非常に水害の多い地域です。町の歴史は水害との戦い。「田植えはあるが、稲刈りがないという年もしばしば」という話や、昔は「3年に一度は洪水で水浸し。20日も30日も水が引かない」と言われる大変な土地だったそうです。

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そんな土着の話を、ボランティアガイドさんからお聞きして周ります。1655年にできた「刈谷田川堰」は水害に悩まされた農民の悲願を叶えた歴史的建造物だったと言います。

②中之島「大竹邸記念館」
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そんな水害に苦しんだ中之島が生んだ偉人が「大竹貫一」です。ご存じですか?あの「田中角栄」と並んで新潟県を代表する政治家です。
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その大竹貫一の生家が「大竹邸記念館」として開放されています。昭和19年(1944年)に生涯を閉じるまで、地元の治水事業に力を注ぎ「治水の神」とも呼ばれました。先ほどバスから見た「刈谷田川堰」や、新潟を代表する大河津分水の実現がかなったのは、「大臣に」と推されても断り、郷里の治水に邁進した大竹貫一のおかげだと、その功績が讃えられています。
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ちなみに、大竹邸記念館の庭内には中之島地域の創始に由来する「平頼盛」公を祀った池公社があります。1199年に都から落ち延びてきた平頼盛公が住み着き、その重臣が中之島を開拓していったそうです。
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記念館内には由来の逸品も。
③中之島「与茂七地蔵」
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次にやってきたのは、無実の罪に問われて処刑された義民「大竹与茂七」を祀る与茂七地蔵です。
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江戸時代、大洪水に悩まされていた中之島地域で、民のために働いた与茂七の悲劇の物語であり、この地域の水害の苦しさを伝えるエピソードとして語り継がれています。
④中之島「入澤記念庭園」
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水害に苦しんだ中之島だからか、「土地に頼らず食べていけるように」という思いからか、幕末から昭和初期にかけ日本を打評する医学者を次々と輩出してきたそうです。それが「入澤家」。
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入澤恭平の長男、立吉は、東京帝国大学教授、東京帝国大学附属医院長・同大学医学部長・宮内省侍医頭等を歴任するなどした大偉人!こんな人が中之島から出たとは……。
⑤「中之島バス散策~パティオにいがた」
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その後、バスの中から刈谷田川と信濃川の現在の合流地点を見学したり、排水のために高さの異なる三本の川が並んで流れているところを見たり、水難から子どもをまもる六ケ所地蔵を観たりしながら、パティオにいがたで休憩。
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中之島のゆるキャラ「なかのん」と見附の「ミッケ」ちゃんがお出迎えしてくれました!
この道の駅パティオにいがたも、じつは刈谷田川の蛇行した流れを直線化した後に埋め立ててできた土地に整備されたもの。2005年の「7.13水害」による被害後にできた施設で、防災時の拠点の役割も担っているのです。ただの観光施設ではなく、この土地に生まれた背景があるんですねぇ~。
⑥【昼食】栃尾地域「ドライブイン刈谷田」
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さて、ツアーで楽しみなのが郷土の特産物を活かした昼食です!今回は栃尾地域の「ドライブイン刈谷田」さんで、山菜たっぷりのお弁当を楽しみました!
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まさに山菜づくし!!
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もちろん栃尾といえば「油揚げ」も!!さらに今回はなんと……
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NHKの「キッチンが走る」の長岡市回で登場した中之島の高橋秀信さんが自慢の「大口れんこん」を振る舞ってくれました!!シンプルにれんこんを醤油で焼いた逸品!!うまーーーーい!
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⑦栃尾「刈谷田川ダム」
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午後からは栃尾地域を巡ります。最初はドライブイン刈谷田から見える「刈谷田川ダム」へ。昭和55年に完成したダムは、刈谷田川が集中豪雨などによる大洪水で大きな被害を被ってきた栃尾、中之島地域の住民にとっては念願のダムでした。
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今回は実際に管理室でお話を伺い。
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ダムの上からエレベーターを下って……
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ダム内のトンネルを通って……
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ダムを見上げる足元まで来ました。でかい!!
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大きなダムを見上げ、大自然を切り裂いてできた人工物に、その建造の苦労と治山治水の大切さを実感しました。
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そして帰りは長いトンネルを通ってダムのあった渓谷を下りました。こんなとこ歩けるなんて、なかなか貴重な機会した!
⑧栃尾「栃堀散策」
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その後は栃堀地域を散策。栃尾は戦国時代を代表する武将「上杉謙信」が幼年~青年期を過ごした歴史ある場所です。何でも源義経の愛妾・静御前の墓があったり、那須与一が住んでいたりといった伝説があります。
そんな栃尾は道祖神の最多地帯でもあるのだそう。
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歩いて回った栃堀地域は古い集落なのか、年季の入ったいい感じの民家が多く、とてもいい雰囲気。雪深い地域ですが、雪に閉ざされる前の秋の陽気を満喫できる良い散歩になりました。
⑨栃尾「巣守神社」
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そのままやってきたのは巣守神社。栃堀巣守神社は「裸押合大祭」の舞台でもあります。毎年2月第2土曜日に、ふんどし姿の男衆が大ローソクを先頭に「サンヨ!サンヨ!」「オッセ!オッセ!」の掛け声とともに押し合う奇祭。全国的に有名なのは「浦佐毘沙門堂裸押合大祭」で、国指定無形民俗文化財にも指定されていますが、栃堀のもの内容は一緒なのでも由来は同じものだと思います。
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この石階段を上り……
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本堂で260枚の福札を奪い合う、奇祭が開かれるのですね~。
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そんな巣守神社の社脇にあるのが「貴渡神社」。栃尾紬の祖神を祀っている神社です。この神社の特徴は何と言っても社殿の見事な彫刻!これは「越後のミケランジェロ」と最近注目されている「石川雲蝶」の作品です。
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石川雲蝶は江戸時代末期に活躍した木彫りの名工で、県内各地に多くの作品を残しています。謎に包まれたと言われる雲蝶ですが、圧倒的に美しい作品にただただすごい!と見入ってしまいました。
⑩栃尾「道の駅R290とちお」
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そして栃尾の歴史や風土を聞きながら、終点の道の駅へ。歴史たっぷりの栃尾は回りきれていない部分もたくさんあったように感じます。
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おわり

さて刈谷田川が作った「刈谷田文明」を巡った中之島、栃尾地域のバスツアー。一見離れた地域が同じ川があることで、深く関係していたんだなぁというのが感じられました。特に中之島の水害の話と刈谷田ダムの話は、防災という面ですが地域同士協力している様子が垣間見えました。今回も2つの地域の普通に観光しに来たらなかなか行かない所を楽しむことができた貴重な体験になりましたよ!

越後長岡まちめぐりは、「越後長岡・まちめぐり実行委員会」さんが企画運営されています。参加したいという方や気になる方は越後長岡・まちめぐり実行委員会さんの情報をチェックしてみてください!


唐澤頼充この記事のライター 唐澤頼充(ライター/編集者)

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。