日本最古のイタリア料理店から始まった老舗ホテル「イタリア軒」が売却

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イタリア軒ホームページ: http://www.italiaken.com/

1月14日、新潟の老舗ホテル「イタリア軒」が、新潟放送からNSGグループに売却することで基本合意したと発表がありました。

イタリア軒と言えば、新潟の老舗ホテルとして有名ですね。

イタリア軒の歴史

イタリア軒の創業は明治7年(西暦1873年)。イタリア人の青年コック、ピエトロ・ミリオーレが開いた新潟初の西洋食品店が始まり。瀟洒な洋館と料理の味は「これぞ新潟の鹿鳴館」と誉めたたえられたそうです。以来、1世紀に渡り営業を続けてきたイタリア軒は、今年の7月で創業140周年を迎える記念の年でした。

イタリア軒には、一度宿泊と、レストランの「ビストロ マルコポーロ」、「スカイレストラン ゴンドリーナ」を利用したことがあります。建物の傷みこそ目立つものの、伝統ある老舗の雰囲気がただよう特別な空間でした。

新潟は、安政の開港五港のひとつとして知られています。しかし、実際には明治9年の段階で外国人は12人しか住んでいなかったとか。そのなかの1人が「イタリア軒」を創業したピエトロ・ミリオーレだったのです。そのミリオーレが開いたイタリア軒は、日本初、日本最古のイタリア料理店、さらには日本最古の西洋料理店となったのです。

ほとんど外国人がいなかった土地で、外国人の方が商売をはじめるのはさぞかし大変だったでしょう。それでも、ここまで続く老舗店を作り上げたミリオーレと、それを受け入れた新潟という土地を思うと、感慨深いものがありますね。

NSGグループが買収

イタリア軒は、昭和38年(1963年)にBSN新潟放送が買収。BSNグループ企業となり、昭和54年(1979年)には株式会社ホテルニューオータニグループとして業務提携をしていました。

今回の売却先は新潟のNSGグループ。専門学校をはじめ、アルビレックス新潟等のスポーツ事業、医療法人や社会福祉法人など、多数の企業を運営する新潟を代表する企業です。新潟にお住まいの方や、新潟でビジネスをしている方ならきっとおなじみかもしれませんね。

新潟の企業が買収してくれたと言うことですこし安心しました。売却金額は3億円。安いような気もしますが、債務超過が7億円あるとのこと。歴史を守る大変さが伺えます。

NSGグループが持つノウハウで、長年業績が低迷していたイタリア軒の業績を再建できるのか注目です。NSGグループとしては「国際ホテル・ブライダル専門学校」の持つホテル経営に関するノウハウを生かすほか、専門学校の卒業生の受け皿にもする狙いがあるそう。

日本最古、新潟の歴史に残る「イタリア軒」を新しい時代に、どう残し、どう活用していくのか?今後の展開を見守りたいと思います。新潟の皆さんも、イタリア軒が纏う、歴史と伝統の雰囲気に触れに、ホテルやレストランを活用してみてはいかがでしょうか?

ライター 唐澤頼充(新潟のライター/リサーチャー)

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。