ライター 竹谷純平
古町で毎年秋に開催される「古町音楽祭」。
第1回のグランプリは、あのNegiccoということで、ご存知の方も多いイベントではないでしょうか。
10回目を迎える今回は10月13日(月・祝日)に開催されます。
今回、その選考会が開催されるとの情報をキャッチしましたので、潜入取材&突撃インタビューを敢行してきました。
■「古町音楽祭」とは。
まずはじめに、古町音楽祭の概要をご紹介。
主催者・新潟中心商店街協同組合さんのサイトによりますと、
自分の楽曲でメジャーに挑戦したい!!
そんな夢が実現できる「古町音楽祭」は毎年秋に行われる音楽イベントです。
とある通り、古町商店街の特設ステージで毎年開催されている催しで、今回で10回目の開催となります。
また、フライヤーには「特別審査員はレコードメーカーのディレクター!」とあります。詳しく調べてみると…
今年は、特別審査員として、ビクターエンタテインメント、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントSDグループをお招きしております。
とあります。おお…!
メジャーレーベルの方にダイレクトに聞いてもらえる機会となるとそう多くないと思います。「自分の楽曲でメジャーに挑戦したい!」という方には非常にテンションの上がる内容なのではないでしょうか。
いざ、選考会へ潜入。
それでは、選考会の様子をレポート。
審査会が行われていたのは古町某所。
募集は9月9日に締切られました。今回行われていたのは最終的に10組に絞り込む選考会。実に真剣な議論が繰り広げられていました。
潜入早々、熱量のある議論が展開中で、早速圧倒されました…(笑)。皆さん、熱い想いを持って選考に臨んでいました。
こちらは、審査委員長の川上英樹さん。川上さんを中心とした選考委員の皆さんによって毎年、出演者を選考しているとのこと。
こちらは、共催企業であるFM-NIIGATAの田代さん。
古町音楽祭は「FM NIIGATA×古町」というタイアップの意味合いのあるイベントでもあるそう。当日はラジオパーソナリティのヤンさんがMCを担当されます。
なんと今回、運営のキーパーソンとも言えるお二方のインタビューをゲットできました。開催にかける想いから選考の内容まで、おおいに語って頂きました。
古町発の音楽を発信していきたい。そして古町から「その先のステージへ」。
ーー今回で10回目の開催となる古町音楽祭ですが、具体的にどのようなイベントなのでしょうか。また、開催にかける思想いをお聞かせ下さい。
川上氏:
基本的には、新潟県内で活動していらっしゃる方に楽曲を持ち寄って頂き、順位を付けていくというシンプルなお祭りです。普段、ライブ等の活動をしていても、なかなか「順位」だとかを意識することってなかなか無いですよね。「これで良いのだろうか、まだまだなんだろうか」と。自分たちでは客観的に見ることが出来ない、という面がある。
そこで、これは少し厚かましいのだけれど(笑)、我々が「グランプリ」などといった形で順位を付けさせてもらい、一生懸命活動していらっしゃる皆さんのクオリティを、各々さらに上げて頂く一助になれれば…。こうした想いで開催させて頂いています。
そして、できれば新潟から全国に音源が発信できるきっかけのひとつになれば良いな、と思っています。ですから、今回はサブタイトルとして「その先のステージへ」という言葉を使わせて頂いています。
田代氏:
今回で第10回目の開催です。今後も20回、30回と続けていきたいので、より一層発展させていきたいと考えています。
第1回が開催された当時は、コンテスト形式のイベントというのはまだ少ない時代でした。その第1回から様々なアーティストさんにご出演頂いてきたわけですが、「古町から音楽を発信していく」「古町発の音楽を」というコンセプトのもとで、ずっとやってきています。
古町という「まち」を中心としたコンテスト形式の音楽祭を開催して、そこで育った人たちが、より古町を好きになってくれたら…という基本的な部分は第1回から変わっていません。
ーー新潟から全国へ発信するきっかけに、というお話がありましたが、今回、特別審査員ということで、レコードメーカーのディレクターさんが参加されるということを資料で拝見しました。これは参加者にとってみれば大変なモチベーションになりますね。
川上氏:
そうですね。新人発掘〜アルバム発売といった、デビューに関する一連の流れを見ておられる方が審査員として参加予定です。その方たちが「これは全国に発信したい!」となれば、一気に道が開ける…ということも有り得ます。
ーー過去には「Negicco」が全国へ羽ばたくキッカケを掴んでいます。
川上氏:
そうなんです。ですから出演される皆さんには是非、「Negicco」を抜いて頂きたいですね(笑)
ブーム、トレンドを反映しつつもバラエティ豊かな出演者
ーー出演者について、ジャンル、年齢層など詳しくお聞かせ下さい。
川上氏:
特定のジャンルに偏ってはおらず、本当にいろんなジャンルの方が出演されます。アイドル系からポップス、ロック系、フォーク、ダンスユニット、インストゥルメンタル…あらゆるジャンルで応募があるので、バラエティ豊かなイベントになっているのではないかと思います。新潟で活動する「これを足がかりにステップアップしたい!」という想いを持った方、やる気と伸びしろのある方であれば一切、ジャンルに制限はありません。年齢層も様々です。
ーージャンルは毎年、その年によってトレンドなどがあるのでしょうか。
田代氏:
トレンドは多少はあると思います。当然、直近の流行りを反映した内容にはなるのかな、と思います。コンセプトを毎回決めるということはしていません。世の中の音楽の流行りにあわせて自然と決まります。
ーーある意味、世相を反映するといいますか。
田代氏:
そうですね。「バンドブーム」など、特定のジャンルが盛り上がっているときは、それを反映していたり。最近はだんだんとバンドの応募が少なくなってきている気はします。過去数回に関しては、アイドル系の応募が増えてきた印象ですね。
ーーなるほど。バンドブーム、アイドルブームというのは定期的に非常に盛り上がりますよね。
田代氏:
最近は音楽も多様化してきていますよね。そうした流れも反映してか、今回の出演者はバラエティに富んでいます。それと、当然の話ですが、開催する側としても参加する側としても、世の中の流行りを反映したイベントの方が面白いですよね。
■選考の最重要項目は「素の音」の良さ
ーー前回までと比較して、大きく変更した点があればお聞かせ下さい。
川上氏:
実は、今回から出演者情報に年齢などの詳細を明記しないようにしたんです。というのは、純粋に音源で勝負して頂きたいという狙いがあったんです。今回は、あえて年齢表記をなくすことで、完全に本番を観てのお楽しみ…ということにしてみました。
ーー今回は特に楽曲そのものの良さにこだわって選考されている、と。
川上氏:
そうです。「その曲に対してどういう思い入れがあるのか」という文章でのPRを募集要項に入れていますし、勿論それも考慮して選考していますが、あくまでも重視するのは音源の良さ。例えばPRコメントなどは、やはり文章能力の優れた方が大変有利な訳ですよね。重要なのはそこではなく、楽曲です。今回は特にそれを念頭に置き、「完全にイントロから楽曲勝負!」ということで選考させて頂いています。
ーー最重要項目は、あくまでも楽曲の良さ、であると。
川上氏:
そう、あくまでも楽曲の良さ。ですから、何度も何度も聴き返して選考しました。そういう意味では、選考はとても大変でしたよ。最終的に10組に絞るわけですが、非常に難しかった。5回、6回、7回…と審査員の皆さんに票を入れてもらい、投票につぐ投票でようやく10組、決めました。
ーー非常に僅差だったわけですね。
川上氏:
過去10回の中で一番大変だったかもしれません。
ーー演奏や歌のテクニック面などは選考の段階で重視されていますか。
川上氏:
音源の録音状態、環境の良し悪しで決めるという視点は、持たないようにしています。音源状態が悪いからだとか、マイクの音量が低い、クオリティが低い…そういったことはとりあえず全て取っ払って、あくまでも「素の音」を聴こうと。そして、それが出来る耳を持った審査員で選んでいると、自信を持って言えますし、じっくり聴き込んでいます。
お客さんにも「わたしも審査員」という気持ちで参加してもらえれば
ーーちなみに開催は10月13日ということで、前日、前々日と「古町どんどん」が開催されていますね。
川上氏:
”年に2回の古町のお祭り”ということで「古町どんどん」が毎年開催されているわけですが、古町音楽祭はその「後夜祭」的な位置づけと思って来て頂ければと思います。街も自分もまだお祭りムードが残っている…そんな雰囲気の中で、立ち止まってリラックスして、それぞれの楽しみ方でパフォーマンスを観て頂ければいいな、と思っています。
ーー盛りだくさんの連休になりそうで楽しみです。最後に一言お願いします。
川上氏:
来場されるみなさんにも、我々のような審査員のつもりで参加して頂きたいと思います。出演されるアーティストの皆さんも、それを望んでいると思いますからね。お客さんの皆さんに観て評価して頂いて、「いいな」と思ったら、その後も継続して応援してもらいたい。そして最終的にはメジャーにステップアップしていく…なんていうことになれば、非常に楽しいですよね。
また、前回に引き続き、司会はラジオパーソナリティのヤンさんが担当されます。出演されている方との掛け合いなどもあり、非常にショウアップされたイベントになりますので、そう言った意味でも楽しめるのではないかと思います。是非、足を運んで頂ければと思います。
ーー本日はありがとうございました。
潜入取材&インタビューを終えて
選考会を拝見し、非常に丁寧に出演者を選んでいらっしゃる印象を受けました。本当に絞り込むのは大変だったのだな、と。
お二人が口を揃えておっしゃっていましたが、今年はとくにバラエティ豊かなアーティストを楽しめるお祭りになっているとのこと。
一生懸命活動しているアーティストのパフォーマンスを観るだけでも元気をもらえますし、その中からNegiccoのように「古町から全国へ」羽ばたくアーティストが現れるかもしれません。そう考えるととても楽しみですね。
是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。
★イベント情報
第10回 古町音楽祭
- 開催日:2014年10月13日(月・祝)13:00~17:00
- 会場:新潟市中央区古町7番町特設ステージ
- 主催:古町音楽祭実行委員会(新潟中心商店街協同組合、新潟商工会議所)
- 共催:FM-NIIGATA
- 協力:新潟市、ビクターエンタテインメント、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント SDグループ
- 参照サイト:新潟中心商店街協同組合 イベントページ
- 参照サイト:FM-NIIGATA イベントページ
ライター 竹谷純平
※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。