アートでまちの魅力を再発見!「うちのDEアート2015」で内野町がもっと好きになる

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池トヒロクニこの記事のライター 池ト ヒロクニ(大学生)

 

2年に一度、新潟市のはずれの小さなまちがアートでいっぱいになります。

ポスター

「うちのDEアート」は新潟市西区内野町を舞台に隔年で開かれるアートプロジェクト。内野町の地域の方々や、新潟大学の教育学部の学生などが中心となってつくり上げられるこのイベントは、2001年にはじまり回を重ねるごとにパワーアップし今回で7回目。

そんな地域密着型アートプロジェクト、うちのDEアートの楽し気な模様をリポートします。私自身うちのDEアートは初参戦。せっかくなら詳しい人に一緒に回ってもらいたい!と思い無理を言って、広報担当の小泉珠恵さん(新潟大学大学院1年)にガイドをお願いしました。小泉さんに感謝です!

さて、内野町一の繁華街、四つ角の交差点のインフォメーションセンターから始まった小泉さんのおすすめポイント巡りツアー、歩きながら今回のテーマである「うちの栄養補充計画」についてお聞きすると、「参加者がアートを通して心や身体、まちを元気にする栄養を感じてくれれば」と。
なるほどなるほど。栄養を感じるアート。いったいこの先どのような作品が待っているのでしょうか。

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そうこうするうちに着いたのは空家を利用した作品【うちの七人の職人と新大美術科のたまごたち】。まずはじめに、何の変哲もないふつうの住宅街にいきなり作品が現れることにびっくり。これが地域に根差したうちのDEアートらしさなのでしょう。

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ここに展示されるのは仏具屋・表具屋・広告店・石屋などなど内野町で昔から商売をしている職人さんたちと新潟大学で芸術を学ぶ若い学生たちのアート作品。なんでも、うちのDEアート2015に向けて職人さんたちから、俺たちも何か力になりたい、自分の仕事を見てもらいたいとの声があったそうな。作品一つ一つから作者の仕事に対する誇りが垣間見え、なんとも職人のまち、内野町らしい展示です。

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玄関先でお客さんを迎えつつ、楽し気に作品の解説、内野町の昔話をする地域ボランティアの方が印象的。ニコニコと自分のまちを若者に語る姿に、なんだか私まで自然と笑顔になってしまいます。テーマである「アートを通じた栄養補充」とはまさにこのことでしょうか。

次に内野町のメインストリートを通り、立派な神社に展示された作品を楽しみつつ向かったのは塩川酒造。試飲ができると聞いて向かってる途中からわくわくが止まりません。

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到着するとすでに多くの方が酒造の前でお酒を楽しんでいるではないですか。みなさんのにっこにこの笑顔を見て我慢できるはずもなく私も“ゆきどけ”というお酒を頂きましたがやっぱり美味しい!飲みやすい!新潟のお酒最高!
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さてさてお酒を飲みに来たのではありません。ここで展示されているのはお酒のビンです。なんでもこれは塩川酒造と新潟大学のコラボ企画の一環で、学生がラベルなどのパッケージデザインを一からつくったのだとか。白と青を基調としたやや繊細さのあるデザインからはまさに“ゆきどけ”を感じます。

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お酒の芳醇な香りに後ろ髪を引かれつつ向かったのは、空き店舗になって十年以上との場所を活用した【うちの商店】。ここには内野町の職人や専門店をモチーフに描かれた日本画と油絵が展示されています。タイミングよくその場に作者本人がいたのでお話を聞くと、絵を描くにあたって各自がモチーフとなる職場に出向き、お店の方と対話をする中でそのお店の持つストーリーを引き出し、絵のイメージを膨らませたという。目の前の作品にそんな制作秘話があったとは・・・。作者がすぐ身近にいてこんな話を聞けることも、うちのDEアートの魅力のひとつですね。

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続いては小泉さんがかねてより「ここだけは是非観てもらいたい!」と強くおすすめしていたスポット。寺院・神社が数多くある内野町でも一段と立派なたたずまいの清徳寺が舞台の【NIHONGAタイムトラベル】です。清徳寺の敷地の中を歩き展示会場へ向かう途中、立派な建物と広々とした庭に目を奪われ気づけば口が半分開いていました。これから目にする作品への期待度がぐんぐん上がります。
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「普段は美術館の中でしか観れない作品を、描かれた当時に近い状況で展示することで、より身近に感じてほしい」。この企画展の目的を小泉さんはこう言います。そっか、今は美術館に収蔵されている作品も昔は寺院の壁に掛けられていたりと実際に使われていたんですもんね。
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ここのメインはなんといってもこれ。国宝の長谷川等伯筆「松林図屏風」の超高繊細複製品。キヤノンが最新技術の粋を結集して制作したものです。私も近寄れる限り顔を近づけてよーく凝視しましたが全く複製品っぽさがありません。たぶん長谷川等伯さん本人も複製と気づかないのではないでしょうか。複製品だからこそできる当時に近い状況の展示を前にして、気分は完全に安土桃山です。

そのほかにも日本美術院からお借りした著名画家の作品が多数展示されていて、小泉さんもこの企画展がいかに貴重であるかを念押ししてくれました。みなさんこれは絶対に観ないと損ですよ。

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ボリュームたっぷりの清徳寺の展示をぐるりとまわって、なかば興奮状態のわたしたちはツアーの最終目的地へ。最後に訪れたのは花屋さんの隣にあるガレージを利用したカフェ、【niwa cafe~ふらっと~】。店内にはアート巡りの休憩中であろう方々でいっぱい。みなさん店内で販売されているコーヒーやお菓子を口にして心身ともにリフレッシュというところでしょうか。
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これらの商品、どれも内野町にあるお菓子屋さんなどから提供されているものだとか。アート巡りで内野町を体感した後は、お菓子で内野町を味わうのもいいですね。
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パンフレット片手にその場で休んでいた元気いっぱいの内野中学校の生徒さんにカフェの感想を聞くと、顔を見合わせて「落ち着く」と。そんな中学生にも愛されるこのカフェですが、なんと学生たちによる企画で実現したそうな。店内で使われている家具は内野町から集めた家具や古着を学生がリメイクしたもので、空間作りには新潟大学工学部の学生も協力しているそうです。多くの人がカフェの空間作りに関わっているんですね。

そんなこんなで約二時間をかけて全企画のおよそ半分を観てまわった小泉さんのおすすめポイント巡りツアー、スタート地点のインフォメーションセンターに戻ってきて完結です。
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これまで手取り足取りうちのDEアート2015の楽しみ方をご教授してくれた小泉さん、感謝の気持ちを込めてパシャリ。パンフレットやTシャツに使われている、暖かく淡いデザインは小泉さんが制作したものだそうです。すごい!!ここまで読んでみなさんも、うちのDEアート2015に行きたくなってきたのではないでしょうか。会期は10月11日(日)までともうわずかです。ぜひとも行き逃すことのないように!
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【うちのDEアート2015】
〇会期  2015年9月26日(土)~10月11日(日)
〇時間  10:00~17:00 ※最終日は16:00閉場
〇会場  新潟市西区内野町
〇入場料 無料
〇主催  アートクロッシングにいがた実行委員会

●公式サイト
http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~bijyutsuka/project/
●Twitter
@uchinodeart
●facebookページ
新潟大学教育学部美術科


池トヒロクニこの記事のライター 池ト ヒロクニ(大学生)

 

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。