水戸教(みときょう)発祥の地、『日和山住吉神社』に行ってきた

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この記事のライター 竹谷純平(個人事業主)

「水戸教(みときょう)」という言葉をご存知でしょうか。

わたしは最初聞いたとき「茨城県発祥の宗教」のことかと思いましたが、違います。

水戸教とは「河口近くに船見櫓を設け、水戸教船や船頭を配備し、水先案内の他、水路の水深を測ったり、曳き舟や給水、浚渫、遭難した船の海難救助まで行っていました。」(第九管区海上保安本部・海の相談室発行「マリンニュースあいかぜ194号」調べ)

なるほど。

言ってみれば「水先案内人」「港湾管理者」「海上保安庁」の役割を総合的に果たしていた人々の事を指す言葉なんですね。なんだかカッコイイ…!

そもそも「水戸」という言葉自体、もともとは船の通る水路や港を指す言葉だったそうです。

広辞苑によると、

「水戸とは①海水の出入口。また、大河の海に入る所 ②堰(いせき)すいもん」

とあります。知らなかった。茨城県の県庁所在地という認識しかなかったです(笑)。

その情報を教える「水戸教」というのは、全国的にもとても珍しい名称とのこと。

その発祥の地が新潟にあるというのを聞き、調べて行ってきました。

その中で、どうやら「日和山 住吉神社」がそれにあたることがわかりました。

ついでに「日和山」について調べると

「ひよりーやま【日和山】見晴らしがきき、船人が海上の空模様を予測した山の呼称。全国に多い」(広辞苑)

おお。実に「っぽい」感じになってきましたね(笑)

海岸線をクルマで走っていると見える「日和山展望台」。なんでも、水戸教発祥地がその近くにあるのだとか。

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日和山展望台。

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展望台のすぐ側にはサイクリングロードがありました。みなとトンネルまで続いているそうです。

そのすぐ脇から住宅街に向かって坂を下り歩いていくと…あった!

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丘の中腹あたりに「新潟港水先案内水戸教発祥地」という碑がバッチリと立っています。

むむ…なんという分かりやすさ!間違いようがありません。

漢字ってすごい!笑

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こちらが神社の入り口。

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階段を上っていくとすぐにお社が。

世襲で代々水戸教をつとめていた「伊藤仁太郎」家が建立なさったのだとか。

散歩中と思われる、近所にお住まいの方(素敵な老紳士)に聞いたところ、普段は閉まっている模様。

夏に開かれる「日和山住吉祭」の際には開かれて、賑わうそうです。

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「方角石」。

だいぶ削れてしまっていますが、「子丑寅…」と、十二支で方角を示していたのかな。歴史を感じます。

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あ、しっかりと説明書きに書かれていますね。

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帰りがけに、せっかくだから展望台に上って写真を撮ってきました。

ほとんど住宅街に埋もれてしまっていますが、かろうじて見えてますね(写真中央)。

【主観たっぷりの感想】

頂上から見た眺めの感想は「まわりが住宅街になっているのを差し引いても、港のほう、あまり見えないような気が…」というのが正直なところでした。港、遠いな、と。

それもそのはず。後から調べたところ「信濃川の河口の地形が時を経て遠くなってしまった」とのこと。なるほど。現代のものさしだけで物事を見てはいけないですね。

そうです。水戸教が活躍していた時代の新潟港というのは、北前船の寄港地として栄えていた頃。その後、幕末の開港五港のひとつとして開かれたものの、当時は決して良港とは言えず、改良に苦心していた時代。そして北越戦争では幕府側の命運を分けることになる新潟港…。

そうした歴史の流れを、昭和のはじめまで200年近くずっと見守ってきたわけです。

現在はとても静かな住宅地の一角なわけですが、ここがその港の安全と歴史をずっと見つめてきたのか…と思いを馳せると、歴史ファンとしてはちょっと楽しいひとときでした。

あと、地名というのは、ちゃんと調べれば由来がしっかりと残っているのだという事も気づかされました。

スポット情報

日和山住吉神社

  • 住所:新潟県新潟市中央区東堀通13

junpeitakeya_profile01 ライター 竹谷純平(個人事業主)

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。