この記事のライター 唐澤頼充(ライター/リサーチャー)
新潟大学附属小学校の4年2組が商店街の活性化にチャレンジしています。湊町新潟の発展とともに栄えてきた新潟市中央区の「下本町商店街」。近年は高齢化と利用者数の減少が大きな問題となっている昔ながらの商店街です。ここの活性化のアイデアを出そうという授業をするという情報を聞き取材をさせて頂くことができました!
2014年6月20日午前。附属新潟小の子どもたちが下本町商店街の調査にやってきました。当日は小雨が降るあいにくの天気でしたが、まだ人もまばらな9:00頃からまちの散策を始めます。
今回の調査は「まちに必要なこと」を探すこと。なんと子どもたちは全員iPadを持っています!iPadで写真を撮ったり、メモをしたり・・・。しかもメモはマインドマップのソフトで・・・。
私はカメラと、脇にノートとペンを抱えての昔ながらのスタイル。今の子ども達の進歩に唖然でした。
それもそのはず。今回の授業は担任の片山敏郎先生の「虹の輪タイム(第4学年)」という研究授業の一貫で、「情報リテラシーのよさを実感し、生活に生かそうとする子ども」を目指す目的があるからです。
iPadを手に抱えて商店街を散策する子どもたち。そうと班ごとにまちの風景を写真に撮ったり、まちの人にインタビューをしたりと積極的に動き回っていました。
露天のおばあちゃんにインタビューをしたり。
魚屋さんに突撃したり。
かき餅屋さんでお話を聞いたりと商店街の今を知ろうと必死です。
「下本町の良いところはなんだと思いますか?」
「下本町に足りないものや欲しいものはありますか?」
など、まちに必要なことを一生懸命探していました。
そして、この調査を終えた翌週の6月26日。新潟大学付属小学校4年2組の教室で、班ごとに集めた情報をまとめた発表授業が行われました。
発表するのは「下本町に必要なこと」と「その理由」。
それぞれの班がiPadを使ってスライドで発表をしてくれました。ここでもデジタルツールを使いこなす小学生にビビる私でした(笑)
文字でのスライドはもちろん。
まちの写真をスライドの中に入れ込んだり。
お店の人のインタビューを動画で流したりとすごいITスキルです!!
初めての調査で小学生が考えた「下本町に必要なこと」は上の写真のようなものがあがりました。若者や子ども、イベント等が多く上がっていました。
さて、一生懸命に考えをまとめてくれた小学生ですが、ココで終わりではありません。「どうすれば商店街ににぎわいをつくれるか」は、そんな簡単にできるものではないのです。
それを指摘してくれたのが、この日発表を受けた新潟県立大学の関谷浩史准教授です。
関谷先生は「若者を集めようとしている商店街は下本町だけではないよね?」と、そんなに簡単に人を集められないことをオブラートに包みながら子どもたちに語りかけます。ショッピングモールなど若者が好きそうな綺麗で華やかな商業施設と、古い商店街が戦っていけるのか、まちづくりの専門家の意見にさっきまで自信満々だった子どもたちも「そっかぁ・・・」と少しトーンダウン。
そこで関谷先生は今自分が取り組むプロジェクトを紹介。「先生は大学で、外国人観光客をどうすれば下本町に呼び込めるかというプロジェクトに取り組んでいます。日本人が感じる魅力と外国人が感じる魅力は違うよね。皆さんでぜひ外国の人は下本町のどんなところに魅力を感じるのかを見つけてほしいと思います」という関谷先生からお願いが。
それを聞いた子どもたちは新しい視点を得たことで、また眼の色が変わります。「古い建物とかかな!」「iPadなら海外にも下本町のことを伝えられるよ!」と一気にテンションが上がるのがわかりました。
未だ興奮収まらぬ中、今日の授業はここまで。「外国人を呼びこむためには」という視点を得た子どもたちは、下本町を盛り上げるために、これからアイデアを研ぎ澄ませて行きます!
どんな提案が出てくるのか、楽しみに見守りたいと思います。
次回へ続く!
ライター 唐澤頼充(ライター/リサーチャー)
※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。