この記事のライター 長谷川直子(フリーアナウンサー)
長岡の人間なら誰でもこの声を耳にしたことがあるはず、この方にお話しをお伺いしました♪
長谷川「そうです、長岡大花火アナウンサーの、小林真弓さんです、宜しくお願いします!」
小林「宜しくお願いします」
長谷川「さて今回、ゲストとしてお越しいただきましたが、実は、私たち同業でもある為、長谷川の大先輩でいらっしゃいまして、大変恐縮しています(笑)
まず、長岡花火のアナウンスは何年されていらっしゃるんですか?」
小林「13、4年ですね~」
長岡花火のアナウンスを任されたきっかけ
長谷川「長いですね~!小林さんが最初からされていたわけではありませんよね?」
小林「はい、前任の方は、勿論こういうお仕事をされていましたが、埼玉県に嫁がれて、お祭りの時だけ長岡に帰省されて『打ち上げ開始でございます』を言って帰る、という形でされていたんです。しかし、ちょうど二人目を妊娠されて8月が臨月ということで、声も似ているということもあり、私に依頼がきました」
長谷川「そもそも、学生を終えられてから、どのような流れでアナウンスのお仕事を始められたんですか?」
小林「もともとはモデルのお仕事をしていました」
長谷川「そうなんですか!?確かに、身長が高くてすらっとされていますもんね!」
小林「今より痩せていましたので(笑)新潟のモデル事務所にいましたが、先々のことを考えていた時に、イベントに東京から来ていた教育係のナレーターさんがいらして、常ににこやかで知的に指導されていたので、憧れを抱きました。そうしたら『うちの事務所に来ない』と声をかけられ、東京の事務所に行って、ナレーションの指導を受けて勉強しました」
長谷川「小林さんはもともと長岡の方なんですか?」
小林「生まれは佐渡ですが、6年生の時に長岡に来て、そこからは長岡に住んでいます。」
長谷川「では、小学6年生の時に転校してきてからはずっと長岡に住んでられて、新潟市でモデルをされた後に、東京でナレーションの勉強をされてきて、13、4年前から長岡花火のアナウンスをされるようになったんですね」
長岡の一大イベントを任されるプレッシャー、苦労話。
長谷川「毎年毎年、多くの方々が集まる中、そしてスポンサーである長岡の企業の方々からのプレッシャーを一身に背負って、二日間アナウンスするのは、胃の痛くなるような思いもされていると思うんですけど・・・」
小林「最初の頃に比べれば今はだいぶ慣れましたが、初年度の緊張は、物凄かったです(笑)」
長谷川「そうでしょうね(笑)」
小林「初年度は4か月くらい前にお話しを頂いたんですけど、花火会場ができていくにつれ、ブルーな気持ちになっていきました。そして台本も7月末に完成するので・・・」
長谷川「そんなにギリギリに完成するんですね!!これまでに大変だったこと、焦ったことを教えてください」
小林「メッセージ花火の時にプロポーズメッセージを読むのも恥ずかしいのですが(笑)、『今まで癒しをありがとう、天国でも・・・』といった内容の、子どもなのかペットかわからないメッセージもあったりするんです。けれど、私も子どもを持つ身としては子どもを失った気持ちに入り込みすぎちゃって、涙で言葉がつまった瞬間がありました(苦笑)こらえるのに必死で・・」
長谷川「でも、焦りが全く声に出ませんよね」
小林「心の中では焦っていることはあるけれども、周りのスタッフが焦ったりすると、『私は表に出してはいけない』と心がけて落ち着いています」
長谷川「周りにスタッフの方がいらっしゃるんですね?」
小林「ディレクターさんと音響さんがいらっしゃいます」
長岡花火、楽しんで観れていますか?
長谷川「花火を会場の皆さんと一緒に楽しんでいる気がしますが、実際は観れているのですか?」
小林「ほとんど観れていません。次の進行を常にチェックをしているので。」
長谷川「ところで、どの場所でアナウンスしているのですか?」
小林「川東の土手の、長生橋と大手大橋の間にある仮設の建物内にいます」
長谷川「皆さんからは見えない位置にいらっしゃるんですか?」
小林「見えますよ。ただ中まではよく見えないでしょうが、私が立ったりすると、外からも見えますし、周りの方もわかると思います」
長谷川「立ったり座ったり、動いているんですか?」
小林「はい、だいたいお昼くらいからそこにいるので・・・・」
長谷川「えっ!!そんなに早くから会場入りなんですか!?」
小林「ええ、場所とりや注意事項のアナウンスもあるので。」
長谷川「終わってからもすぐ帰れませんよね?」
小林「人の波がひいてからですね」
長谷川「かなり長時間いらっしゃるんですね」
小林「なので始まる前に緊張感がなくなったりすることも(笑)暑いし(^-^;」
長岡花火と、子育てと
長谷川「このお仕事をしているからこそお教えできる、花火の楽しみ方や、オススメ情報なんか、ありますか?」
小林「有料席ではない、長生橋の川上側だと三尺玉の大きさが感じられたり、フェニックスだと大手大橋側が見やすいし、川西側は臨場感がありますので、色々な絶景ポイントを探しながら観るのも楽しみ方の一つですよね」
長谷川「場所を変えてゆっくり観るのもいいですね」
長谷川「さて、実は私が初めて生の(笑)小林さんを拝見したのは、あるミスコン大会でした。当時私は現場司会を勉強中の時で、『この方が長岡花火のアナウンサーかぁ☆綺麗な声』と感動した記憶があります。
そしてそのミスコンのスタッフルームで、私がセクハラ発言にあって言い返せず涙ぐんでいた時に(笑)、そのいつものお優しい声ではなく『・・・やめなよっ』とドスのきいた声で助けてくださったのが、真弓さんでした(笑)」
小林「そうでしたか・・・(苦笑)」
長谷川「色々な意味で憧れました(笑)そして長岡花火以外はどんなお仕事を?」
小林「イベントの司会等をしていますが、普段はあまり『長岡花火のアナウンスをしている』ということは周りに言ったりしないんです」
長谷川「ご家族が言われたりしないんですか?」
小林「こどもは、言ったりしますけど。」
長谷川「お子さんがいらっしゃるんですね?」
小林「はい、中学生の娘が一人」
長谷川「ということは、ちょうど長岡花火アナウンスをされ始めた頃にご妊娠されていたんですか!?」
小林「はい、初回は、おなかにできたてほやほやの時で(笑)」
長谷川「妊娠中にあのプレッシャーを感じながら、初めての長岡花火アナウンスをされたんですね!?」
小林「はい、隠していました(笑)『太ったね~!!』なんて言われながら」
長谷川「また、お嬢さんが成長されるにつれ、年に一度の長岡花火を『ママと観たい』と言われたりはされませんでした?」
小林「もう娘が生まれた時からしていますので『花火だとママの仕事だ』と思っていたみたいなんですけど、すごくママっ子だったので、仕事で離れる時も『ママがいい~(TnT)』と泣いていました。何より、私が、『一度くらいは娘と観たい』と思っていましたし・・・」
長谷川「どんな風にお嬢さんと向き合って、お声掛けをされていたんですか?」
小林「川西で観ている娘に、『光るものを持って花火会場に行ってごらん。最後の‘ありがとう、花火師さ~ん!’の時に、それを振ってね。そうすると、川東でアナウンスしているママは川西の光がよーく見えるから(^-^)それを見て、ママも頑張るから、思いっきり振ってね!』と話していました。娘は振ってくれていたみたいですね」
長谷川「では、その瞬間に、川西にいるお嬢さんの姿を想像して見ていたりもしました?」
小林「はい、『あの辺かなぁ』なんて思いながら、見ていましたね。娘も『見えたよ』なんて言っていましたし」
長谷川「そして、アナウンサー後輩の私から最後に・・・長岡花火のアナウンスを、いつか私もしてみたいんですが・・・(恐)」
小林「・・・ね。(笑)のちのちは・・・でもまだお子さんが小さいから、とりあえずは育児をしっかりしてから。落ち着いてこっちに全力が注げるようになったらね」
長谷川「・・・わかりました、それまで育児もアナウンスの勉強も頑張ります!!(笑)」
この記事のライター 長谷川直子(フリーアナウンサー)
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