【見附市】知る人ぞ知る人気焼肉屋「きらく」の秘密に迫る! ~今町発祥の「帰ってくる味」~

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この記事のライター 井上有紀

新潟県見附市今町(いままち)。かつては刈谷田川の側で物流の中心地として栄えたこの地域に、ある焼肉屋があります。その名は、「大衆焼肉 きらく」。けして大きくはない町の大きくはないこのお店ですが、新潟県内外にファンの多い店となっていることは、「きらく」という名を知る人の多さで感じます。
そんな、知る人ぞ知る人気焼肉屋きらくの代表に、人気の秘密と、これからの町と店への想いを聞いてきました。

「大衆焼肉 きらく」の今までの話

「大衆焼肉 きらく」があるのは、見附市の今町商店街。長岡駅からは車で20分ほど、見附駅からは車で10分ほどのところにあります。

「大衆焼肉 きらく」の外観

きらくと言えば、たくさんの種類のお肉やサイドメニュー、驚くほど奥に続く店内。また、ユニークな書き方のメニューやお財布に優しい価格など。私の印象はリーズナブルで、美味しくて楽しいお店。連れていく友達もいつも満足して帰ってくれていましたし、今町商店街の方に連れて行ってもらった時は、地域の人にとても浸透し愛されているのを感じていました。

今町商店街は「道の駅パティオにいがた」のすぐ近く。昔ながらの町並みが続く

今回は、きらくの代表白(はく)さんのインタビューをお届けします!白さんをご紹介してくれたのは、一般社団法人新潟まちづくりカンパニー今町地区エリアマネージヤー小林さん。白さんとは、一緒に他地域の面白い取り組みを見に行ったり、今町のイベントを一緒に盛り上げたりする仲です。

左が「大衆焼肉 きらく」代表の白さん。右が一般社団法人新潟まちづくりカンパニー今町地区エリアマネージヤーの小林さん。

中に通されてさっそく出てきたのは、2リットルのウーロン茶のペットボトルとジョッキ。豪快で少しびっくりしますが、とてもお得なきらくの定番ドリンクです。白さんは「まあまあ、まずはお茶でも」とウーロン茶をついでくれました。

定番の豪快ウーロン茶。

優しく穏やかそうな、それでいてどこかオーラのある白代表。まずは「きらく」の今までについて聞きました。

「きらくは昭和36年に両親が始めたんだ。実は両親は韓国人でね、日本に来て生活していくために開業したんだよ」

小学生のころから、両親の営む焼き肉屋を手伝っていた白さん。実際にしごとを始めたのは22歳の時でした。今の建物での営業は、36年ほど前から。当時は1杯飲み屋のような形で、肉だけ買って帰ることもできるような形で営業していたといいます。

「お客さんは口コミで広まっていったかなあ。見附だけではなく、長岡の方にも広まったね」

今や正社員は6人、アルバイトは約30人。大きな駅の近くにあるわけでもない、チェーン店でもないお店としては、驚く規模です。

「長らく町を見ていると…経済が変わってきたよなと感じます。製造業の工場が海外に移ってしまうようになったりね」

韓国から来られた方が始めたお店というのも驚くことながら、ここまで大勢の人が関わり地元に根付く店になっているのは本当にすごいです。

お客さんにとって、スタッフさんにとって、きらくはどんな店なのか

「きらくは地元のソウルフードみたいなもんだよ。地元に帰ってきたら必ず行く店になってるもんね」と、白さんと仲良しの後輩であり今町でずっと暮らす小林さんは言います。

「高級じゃない店だから、若い人でも来れる。みんなにとって来やすい店でありたいね」そう白さんが言うように、きらくのメニューを見てみると、どれも手ごろなお値段。
以前夜ごはんに来た時も、安くて美味しいのでお腹いっぱい食べた記憶があります。
また、毎月変わるメニューの中には、トムヤムクンやケーキなど、「焼き肉屋なのに!?」と思うようなメニューも。

きらくのメニュー。安くてバリエーション豊富。

「新メニューや運営のことはスタッフみんなで話し合って毎月決めています。メニュー作りもやってもらうしね。ノートを使ってコミュニケーションをとったり…お客さんへの対応もスタッフ自身の成長のためにしっかり教えます」

たしかに、壁のメニューは味のある手書きのもの。型にはまらず自分たちが良いと思ったらやってみる、そんな雰囲気が感じられます。また、代表の白さんがたくさんスタッフのことを考えていることにも感動しました。

「やってみたいことがたくさんある」

そんなきらくの代表白さんは、とても「アクティブな人」だと、小林さんは言います。
どんなふうに「アクティブ」なのか。白さんの「やりたいこと」について聞いてみました。

「やってみたいアイデアがあふれてくる。あとは、面白いものは行って見てみたくなるからすぐに行ってしまいます」

例えば、今は第二厨房に加えて第三厨房を作ろうとしていますし、なんといっても、2年くらい前に「宿や皆が集まる場を作りたい」と近所の不動産を買ってしまった話は小林さんから聞いてすごいなあと思っていました。

「20代くらいの時から、ペンションをやりたかったんだよね。今町は駅が近くないから、お酒を飲むには少し不便な場所。宿泊できる場所もあったら最高だし、ちょっとした飲食ができる場所も作りたい。」

白さんが購入した清水邸。最低限の改装がしてあり中はきれい。

そんな白さんの挑戦には、町の人も加わっています。今年は「いままちハイカラ~いままちカラアゲフェス~」というイベントもその白さんが買った不動産「清水邸」で行われました。

イベントの時の様子

地域に愛される店をしっかりと経営しながら、学ぶ心を忘れずに新しい挑戦にも軽やかに取り組む、「大衆焼肉 きらく」の代表白さん。町の価値が、「どんな場があるか」「どんな人がいるか」で変わるのだとしたら、「きらく」が「今町」という町を魅力的にしていることは間違いないような気がしています。

向かいにある蔵も利用できる

「帰ってくる味」がある人生の素敵さ、会いに行ける飲食店がある豊かさを改めて感じさせていただいたインタビューでした。
長岡・見附にお住まいの方、あるいは訪れる予定のある方、今後の動きにも目が離せない焼き肉屋「きらく」にぜひ友達やご家族と行ってみてはいかがでしょうか。

「きらく」代表の白さん、白さんとつないでいただいた小林さん、貴重な機会をありがとうございました!

「大衆焼肉 きらく」

  • 住所:新潟県見附市今町1-15-7
  • 営業時間:[月~木]15:00~24:00[金]15:00~25:00[土]12:00~25:00[日祝]12:00~23:30
  • 電話:0258-66-2752

この記事のライター 井上有紀
東京都八王子市生まれ。2015年に大学を休学して新潟市内野町に移り住む。「つながる米屋コメタク」「ツルハシブックス」で活動したのち、東京に一度戻り、2017年春に今度は長岡でしごとと暮らしを始める。現在は、「にいがたイナカレッジ」という地域と若者をつなぐインターンシップを運営。第二のふるさとは新潟市の内野町と長岡市の木沢集落。

 

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。