この記事のライター 唐澤頼充(ライター/リサーチャー)
先日、新発田市に仕事に行く用事がありました。Facebookで「どこかおすすめのスポットはありますか?」と聞いてみたところ、多くの人が教えてくれたのが「シンガポール食堂のオッチャホイ」。
「オッチャホイって何だ?シンガポール食堂という所にあるそうだから食べ物だろう」と思い、お昼時に新発田市・シンガポール食堂へ向かいました。
それにしてもオッチャホイ。何とも不思議な響きの名詞です。
やって来ました新発田市の商店街の一角にあるシンガポール食堂。駐車場はないので、車で来られた方は近隣のコインパーキングを探して下さい。
レトロな店構え。看板には「名物オッチャホイ」と書いてあります。何とも可愛らしいフォント!オッチャホイ!
入り口にはひょろろ~んとした字で「オッチャホイお持ち帰り出来ます」と張り紙が。持ち帰りできる?オッチャホイという名前だけ聞いても全然料理のイメージが浮かんでこない・・・
シンガポール食堂の店内は昔ながらの食堂といった雰囲気。伺ったのは13時過ぎ。昼時も終わる頃でしたが、サラリーマンや主婦の方々など入れ替わり立ち代りで、人が途切れません。
メニューはシンプル。オッチャホイ、ラーメン、中華飯と餃子。お客さんのほとんどがオッチャホイを注文するそうです。
そのオッチャホイには皿オッチャホイと汁オッチャホイがあります。それぞれ650円。皿オッチャホイはトッピングでえびやしいたけ、にくを加える事ができます。
せっかくなので「皿オッチャホイ」と「汁オッチャホイ」を注文しました。すると注文を聞いてくれた店員さんが「えー!汁オッチャホイ食べるの?美味しくないよ(笑)」と衝撃の一言!!お、お店のメニューを美味しくないなんて言うなんて!
「え!?まずいんですか?」
「いやぁ、まずくはないけど(笑)」
「えー止めた方がいいですかね?」
「別にいいんじゃない?みんなは皿オッチャホイ食べるけど」
そこまで言われたら逆に食べたくなる汁オッチャホイ!両方注文しました。
料理を待つ間、メニュー表の裏にあった新聞記事を読みました。
記事によるとオッチャホイの正体は「シンガポール式焼きうどん」。シンガポールの庶民的な料理。40年以上前に店主・中村ミツ子さんの亡夫、秀夫さんが幼少期を過ごしたシンガポールの思い出の味を再現したのが始まりだそうです。
そして運ばれてきたオッチャホイがコチラ!
まずは皿オッチャホイ。
チャーハンのような香りで、きし麺とモヤシ、ニラ、キャベツ、卵が入った焼きうどん風の姿です。赤い唐辛子がピリっと効いていて、思ったよりも乾いた食感。日本の焼きうどんにはない、コショウの効いた独特の風味があって「癖になる」という噂は本当だった!
ちなみに、麺は短めに切れていて、具と麺の割合が半分半分くらいの印象でした。
続いて、汁オッチャホイ!
ぱっと見はタンメン。しかし白いうどんのような麺がタイのフォーみたいにも見えます。
こっちは麺がでろーんと長い!水分が少なめの麺なので、炒めると切れてしまうのでしょうか?
味の方は、皿オッチャホイと比べるとさっぱり!麺そのものにはあまり味がなく、スープはラーメンの味。何かヘルシーラーメンを食べているような気分。皿オッチャホイほどの「独特さ」はなかったかなぁ。
途中、おばちゃんが「皿のほうがオッチャホイっぽいでしょ?」と声をかけに来ました。私の中にはオッチャホイぽさの基準がないので何とも言えなかったけど、「皿のほうがインパクトがありますね~」と答えると、「でしょ!」と満面の笑みで厨房に戻っていきました。
このオッチャホイは新潟で食べられるのはシンガポール食堂だけだそう。シンガポールの料理なのに40年以上も提供しているので、「新発田に帰ってきたら食べたくなる思い出の味」という人も少なくないのだとか。新発田市民の思い出の味になっているんですね!確かに、また食べたくなるおふくろの味でもありました。
それ以上に、オッチャホイという名前が、ついつい口にしたくなります。食事中は、一緒に行った友人とずっと「オッチャホイ、オッチャホイ」と口ずさんでいました。その様子はまるで夏の新発田オッチャホイ祭りでした。シールを集めて応募すると皿オッチャホイがもらえます。オッチャホイ。オッチャホイ。オッチャホイ。うーん。キーボードで打ち込んでも響きがいいですね!!
そんなオッチャホイ!ネットで調べていると日本で食べられるのは新発田市のシンガポールだけという記事も見受けられます。一度は食べてみたいこの味、新発田市に行った際にはぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
お店情報
シンガポール食堂
- 新発田市中央町3-2-1
- 営業時間:11:00~20:00
- 定休日:水曜日
この記事のライター 唐澤頼充(ライター/リサーチャー)
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