この記事のライター 北 三百輝(きた さんびゃっき)
新潟市北区と聖籠町にまたがる日本海側唯一の中核国際港湾、新潟東港。
その周辺には外国人コミュニティが存在する。全3回に渡り、新潟に根付く外国文化にスポットライトを当てレポートをしてみた。
東港周りの散策を終え、カレー屋「ナイル」に入った。
プレハブ小屋を数個横並びに並べて作った店の外壁はピンク色に塗装されている。ものすごいインパクトだ。
そして店内に入ればさらなるインパクトに襲われる。店員も客も全員外国人なのだ。私が入ったときは日本人客は一人もいなかった。
席についてメニューを見る。さすがにメニューには日本語が書いてある。「本日のおすすめ」が書かれたコピー用紙もテーブルに置いてあった。しかし、紙面の劣化具合から何日も置いてあるかのように見えて、「何が本日だ」と思ってスルーした。
シュリンプ(エビ)カレーとマトンチョップカレーにナンとインド米、タンドリーチキンを頼んだ。
辛さは?と聞かれたので普通で!と答えた。
食べているとウェイターのおじさんが辛さは大丈夫かと聞いてきた。大丈夫、ちょうど良くておいしい!と伝えると笑顔で去って行った。
食べ終わると再びおじさんがやってきて親切にも「本日のおすすめ」のことを教えてくれた。何やら毎週金曜日に出るスペシャルメニューらしいのだ。なんだよ注文する前に教えてよ。何も言ってくれないからスルーしちゃったじゃん。
でもおじさんの憎めない笑顔にやられたので少し質問してみた。
―お客さんはパキスタン人が多いんですか?
おじさん:はい。パキスタン人、インド人、ロシア人、それから日本人ですね。うちの店のオーナーはパキスタン人、私はインド人です。
―そちら(と食堂に隣接する販売所を指して)では何か売ってるんですか?
おじさん:はい、カレーに使う香辛料、ガラムマサラやマトンなどを販売しております。
―へえ~。もしかしてイスラム教徒専用のハラール食材*も売ってるんですか?(*ハラール食材 http://ja.wikipedia.org/wiki/ハラール)
おじさん:はい、それも少し売ってます。どうぞ見ていってください。
インド人のおじさんに勧められて販売所の中を覗いてみた。外国産の香辛料や乾麺、それから袋入りの冷凍マトン(オーストラリア産)が売られていた。たぶんこれがハラール食材なのだろう。
―おじさんはどうして日本に来たんですか?
おじさん:私はコックで1994年ごろ日本に来ました。
—この辺は外国人がやってる中古車業者が多いんですよね。ちょっと話を聞いてみたいんですけどいきなり会社に行っても相手にしてもらえない感じですね。
おじさん:そうですね。彼らの仕事の多くは業者間のやりとりがほとんどですから、一般のお客さんがたずねていってもたぶん相手にされないでしょうね。
―そうですよね。どこかパブリックな場所に行けば話せるかもしれないですね。そういえばこの辺にイスラム教のモスクがあるんですよね?
おじさん:ありますよ。あっち(と指を指して)のほうに。でも私は行ったことありません。
―ははは。そうですよね。ヒンドゥー教のかたですものね。モスクのことはやっぱりパキスタンの人に聞かないとね。
おじさん:そうですね。
お互いの名を名乗ってから握手をして店を出た。異国情緒あふれる店で異国の味を堪能できた。ここが新潟だということを忘れそうになる。
ここまできたら後には引けない。
インドのおじさんも言うようにこの辺にあるというイスラム教のモスクに行ってみることにした。東港の近くにモスクがあるという情報はネットで(http://www2.dokidoki.ne.jp/islam/benri/m_niigata.htm)知っていたが実際に行ってみる気にはこれまでならなかった。
しかし今日がいい機会かもしれない。勇気を振り絞って突撃してみることにした。
iPhoneで「新潟 モスク」で検索してみると上記のホームページが出て来た。住所は新潟市太郎代15-1となっている。(この住所は誤りで正しくは新潟市北区太郎代2557-1。)グーグルマップにその住所を入れてナビしてもらうことにし、店を後にした。
―次回 新潟東港の外国文化レポその③「イスラム教のモスクを訪ねる」に続く
スポット情報
ナイル横土居店
- 住所:新潟市北区横土居3771
- TEL:025-386-1225
- 営業時間 11:00~22:00
- 定休日 無休
ライター 北 三百輝(きた さんびゃっき)
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