この記事のライター 竹谷純平(フリーランスライター/Webクリエイター)
「やいーっや。天気わーりね」「そうらね」
「うわ、懐かしい」と思ったあなた!「え、普通の話し言葉でしょ」と思ったあなた!
そう。新潟人にとっては誰しも馴染み深い新潟弁です。若い人間にとっては(とくに都市部では)普段はあまり話さなくなった言葉とはいえ、味わい深い話し言葉のはず。
しかし、ネイティブな新潟弁を街中で聞く機会となると、めっきり減った気がします。新潟弁をガンガン話すまちの方々(言ってみればネイティブ・スピーカー)とコミュニケーションする機会となれば尚のこと。
そのいずれも「体感」できる地域が、中心部からすぐ近くにもあるのです。
その場所は「本町下市場」。ぶらぶら歩いてみたのですが、なかなか面白かったです。
駐車場にクルマを駐め、散歩開始。
出てます出てます。アーケードから張り出して、大小さまざまな露店が立ち並ぶのがお馴染みの光景です。この日は10件ほど出ていました。
こちらは「ホクセイマート」前に展開している花屋さん。「お!写真撮るなら、ここの商店街で写真コンテストやってるから応募するんだこてさ。1位入賞で1万円らて!そーせば、半分オレにくれさ(笑)」
…と、「私が1位入選するのが決定事項」「出演料支払い」が決定事項のようです…(笑)。のっけから圧倒されます。しかも、まわりに居た常連客の皆さんがそれを聞いて大盛り上がり(笑)
ちなみに、これですね、写真展。本当だ…大賞1万円。これ用に撮りに来ようかなあ。
続いてはこちら。亀田からお越しのお母さん。「顔だけは撮るの勘弁して!いやほんと!他に美人がいっぱいいるすけ、そっち撮るんださ!ホレ!あっち!」というお母さんは確実に嬉しそう。笑。そして反対側のお母さん「いやいや!いいてば!あっち行けて〜(喜)」…と、古き良き新潟の風情が炸裂(?)。
こちらは村上からお越し。朝5時起き、2時間かけて来ているそうです。ほとんど毎朝。「お店を出されるようになって長いんですか?」と聞いたらそうでもなく、ここ5年くらいのことなのだとか。そういうことであれば、他と比べて本町一帯ってどんな違いがあるのか?というのを是非聞いてみたい。「人情味があるよねえ。他のお店の人だとか、他所から来た人であっても受け入れるし。ちょっと用事があって離れるときでも、誰か見てくれているし。温かい人が多いですよ」
「若い人にもっと来てもらいたいよね。これが今、旬だから美味しいとか教えたいし、沢山いろんなものを食べる機会ってないでしょ。サービスするから、ぜひ来てちょうだい(笑)!」
こちらはキューピッド付近に出ていたお店。佐渡産の「おけさ柿」がありますね。こういうのを見ると、新潟の市場!という感じがします。お話を聞いたところ、沼垂から来ていらっしゃるようです。「何十年も前からここに出しているけど、昔は通りの反対側に行くにも苦労するくらい、人がたくさん居たんだよ」なんて貴重なお話をしてくれました。
ご覧の通りの曇天であまり人出が無かったこともあり、この日は撤収してしまったようでしたが、「親子三代にわたってお店を出しているところ」もあるそうです。素晴らしい!ちなみにこの辺で、明らかにフレームにおさまっていないおじさんから「イケメンに撮んねーとダメらよー」とボソっと声をかけられました。写りませんこてさ…(笑)。
取材を終えて
やはり、実際に足を運んでみて、地元の方や市を出されている方と直にコミュニケーションを取ってみると楽しいものです。よくよく考えてみると、漬物の知識を教えてもらえたり、「今の時期はコレが美味しい」というのを、「プロ」から直接聞きながら買い物ができるなんて、とても贅沢ですよねえ…。また、楽しくやりとりをして買った食べ物は何倍も美味しい気がします。
市場の方以外の地元の方もとてつもなくフレンドリーでした。世間話の中にも為になる話をしてくれたり、月並みな言葉かもしれないですが、「懐かしい」感じがしました。商店街全体がきっと温かく迎えてくれるので、面白いと思いますよ。あと、気軽に新潟弁のスキルを磨きたい方にもオススメです(笑)。
スポット情報
本町下市場(フレッシュ本町内)
この記事のライター 竹谷純平
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