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お母さんたちが作る日々ごはん。柏崎高柳町「とくぜん」でパワーチャージ

お母さんたちが作る日々ごはん。柏崎高柳町「とくぜん」でパワーチャージ

※この記事は3月10~12日に柏崎市高柳町で行った“田舎Iターン留学・にいがたイナカレッジ”とのコラボ企画「地域を書く合宿」の参加者が、合宿中に作成した記事です。

今日は久々にカレイの煮つけかな。でも、やっぱりとんかつも捨てがたい。そうなれば、大根と青菜に海苔が入ったおひたしを合わせれば、ヘルシー感もあるし、いいかな。あとは卵焼きも付けよう。

目の前に並ぶのは、どこでも食べられそうだけど、お店じゃ食べられない。珍しさはないけど安心感がある。派手さはないけど、ごちそうというわけでもないけど、素朴で自分で作るか、お母さんが作ってくれないと食べられない。そう、これはまさに家庭料理。こんなお惣菜が手軽に手に買えるお店が近所にあったら、嬉しい人も多いのではないでしょうか。

ここは、新潟県柏崎市高柳町にある有限会社とくぜん。高柳じょんのび村に行く途中で通るシャッターアートがある通り、岡野街商店街で地域のお母さんたちが営んでいるお惣菜屋さんです。ぬくもり溢れるお惣菜は、高柳地域の人たちからも評判がいいそう。このあたたかさの秘密を探るべく、有限会社とくぜんを訪ねました。

高柳地域という家の台所に立つお母さん集団

2017年で設立15年目を迎えた、有限会社とくぜん。高齢化が進む高柳地域で「お年寄りの食事作りをサポートしよう」と、地域に住むお母さんたちが立ち上げました。代表を務める大塚幸枝さんは、「高柳の町は、立ち上げの前から周辺地域よりも一歩高齢化が進んだところで高齢者の暮らしに危機感を感じていました。当時50代だった自分でさえ、一日3食ある食事作りに頭を悩ませる日々です。お年寄りはもっと大変なのではないかと思い、周囲の仲間とともにスタートさせました」と話します。

現在、8人のスタッフで、弁当や、ぜんまい煮、コロッケ、ひじきの五目煮など、手作りした惣菜を店頭や市内の直売所などで販売しています。また、注文があれば自宅まで無料配達。毎日お弁当を配達するお客さんもいれば、週の数日利用する人など頻度は様々。ほかにも、地域の寄り合いや、行事でのオードブル依頼もあります。

「朝からゲートボールに行くから7時にはお弁当が欲しい」、「ニンジンが苦手なので食べやすい内容のお弁当をお願いします」など、お客さんからは様々な要望が入るそう。それにもなるべく答えるようにしているという、大塚さんたち。包容力ある対応からは、地域という大家族の家の台所に立つお母さんといった印象を持ちます。

交流会でも振る舞われるとくぜんの料理。参加者の心を和ませ、さらに話題を盛り上げます

 大切なのは、日常のごはんをつくること

ここで働くのは、子育て世代やら70歳を超えた人までの家庭を持つ近隣のお母さんたち。「ここには料理人はいません。みんな素人です。でも、日々のごはんを作ることのプロフェッショナルです」。毎日食べても飽きが来ない、そして安心な日常の食事作りは、スタッフそれぞれがお母さんとして培ってきたスキルを発揮できる場でもあります。

でもね、と大塚さんは続けます。「スタッフのみんなには、家庭が第一優先だとも言っているんです。子供の学校行事や体調不良などありますからね。家庭が疎かになっていてはいい仕事もできません」。食事を提供するプロであり、お母さんの感覚も忘れない。それが、とくぜんのお惣菜に効いた隠し味の一つなのかもしれません。

この日は、これから高齢者施設へ訪問販売に行くところ。10種類以上のお惣菜が並びます。

日々のごはん屋さんの休みはお正月の3が日のみ!

設立当時は土日休みでお店を運営していたそう。しかし「考えてみると食事は毎日のこと。当たり前ですけど、週末だってみんな食事を取るんですよ」と大塚さん。勤務体制をシフト制にチェンジして、まさに地域の台所を担おうと取り組んでいます。

小銭を落とせば「あら!小銭が逃げた」、「よっぽど私のところに来たがっているだね」そんな笑い話が交わされます。

お母さんはこれからも、空腹を満たし、心を満たす

「とくぜんに行けば何とかなる。そういってもらえる存在になりたい」と大塚さんは今後のとくぜんについて話します。お腹が減れば足が向く、だれかと話したくなったら思い浮かぶ、そんな地域の人たちのたまり場です。そしてさらに、「とくぜんの味は、地域の味なので、高柳を出て県外などで暮らす人たちにも故郷の味を届けられるようにできたらいいですね」大塚さんの話は、おせっかいなほどに、どこまでも家族を愛するお母さんの夢です。

とくぜんにはコーヒーが飲めるテーブル席があります。

「今、煮えたから食べて行きなさい」と、出してくれたぜんまい煮。

忙しい日々に追われ、ふと、生活の疲れを感じることも少なくない昨今です。

そんなときは、自分へのご褒美に、ドライブに出かけてみるのもいいかもしれません。行先はもちろん、柏崎市高柳地域にある、とくぜんです。お母さんたちの思いが詰まったお惣菜は想像以上にお腹を満たし、パワーチャージしてくれると思います。

きっと、実家のお母さんのような、お母さんたちが迎えてくれますよ。

お店情報

とくぜん

  • 住所:〒945-1502 新潟県柏崎市高柳町岡野町1806
  • tel:0257-41-2080

ライター:岩渕 直子
NPO法人市民協働ネットワーク長岡所属。1987年生まれ、長岡市シティプロモーションサイト「な!ナガオカ」参加ライター。空想の「喫茶ヤマカワマチ子」を主催。中山間地の集落で営まれるおばあちゃんたちの暮らしぶりにあこがれており、山へ通う暮らしをしている。おばあちゃん、おにぎり、おしゃべり、チヤホヤされることが好き。

 

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