需要に適した技術を開発し、世界を舞台に挑戦を続ける/株式会社サイカワ【Change Leader vol.10】

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※この記事は新潟県中小企業団体中央会・ものづくり支援センターさまとのタイアップ記事です。

新潟県では数多くの魅力的な企業が活躍しています。このコーナーでは「前向きに自らを変化」させることで、新たな価値を生み出す「Change Leader(チェンジ・リーダー)」をピックアップ。

第10回は高齢化が進む社会を見据え、高品質の医療用ワイヤーを製造する機械を造った株式会社サイカワ。 現在は中国や台湾をはじめ、海外販路を更に広げるべく、生産体制の見直しを図っています。

既存の手法に縛られない、電線製造のトップランナー

電線と聞くと、まちに張り巡らされた太い送電線をイメージしますよね。しかし、電線はパソコ ンやテレビなど電機を使うあらゆる製品全てに使われている、現代社会を支える影の立役者です。

サイカワが造るのはその電線を製造する機械。特に『伸線機』に注力し、幅広い線種や線径に対応した機 械をオーダーメイドで製造しています。伸線とは、線をダイスと呼ばれる円錐状の孔型を通して引き伸ばす技術のこと。順次細い径のダイスを通すことによって細い電線を作っていきます。

扱う線径は送電線から、髪の毛に穴をあけるほど細い線まで多種多様。全てオーダーメイドで一社一社要望を聞き出し、特徴に合わせた機械を製造しています。

そんなサイカワが今後力を入れていきたい分野のひとつが、医療用ワイヤー。血管の中を通すこともある医療用ワイヤーは、できるだけ細く綺麗な表面が必要となります。そこでμ単位(5~10μm=0.01mm)の『ノンスリップタイプ伸線機』を開発。ものづくり補助金(※)を活用して購入した伸線を分析・測定する機器を使いながら、数値を微調整。伸線途中の線を巻き取るスピードを調整することで、表面の傷をつけずに伸ばすことが可能となりました。

※ものづくり補助金… 経済産業省・中小企業庁が、生産力向上に資する設備投資等を支援する事業の通称

今後はパンフレットの英訳や展示会出展などにも注力し、海外での販路拡大も狙います。高い質と技術力をもとに国内外で販路を広げるべく、業界のトップランナーは更に挑戦を続けていきます。

Change1/高齢化社会を見据え、医療用ワイヤーを開発

高齢化社会にあたり医療用ワイヤーの需要は拡大すると考え、極細の伸線加工技術の改良開発に着手。従来の方法ではダイスに誤差が生じ、表面に傷がついてしまう難点がありました。そこでものづくり補助金を活用し、『伸線解析システム』など分析・測定する機器を4種購入。ワイヤーの僅かな揺れが傷の原因になることから速度の微調整が可能なダンサーを開発。表面が綺麗な極細線を伸線できるようになりました。

Change2/パンフレットを英訳し、海外への販路拡大を目指す

英語版パンフレットの添削をフォローアップ事業の専門家に依頼。従来のパンフレットは日本語をそのまま英訳したため、日本人には伝わっても海外の人に伝わりにくい表現も含まれていました。こうした表現方法についても細かく指摘を受け、より伝わりやすいパンフレットを作成。海外へ販路を広げる上で重要な視点を学ぶことができました。

Change3/データ量と技術力の高さを武器に 海外展開を推し進める

2018年4月、ドイツのデュッセルドルフにて開催 された展示会に参加。海外の方からも使用方法に質問があるなど関心度の高さが窺えました。また中国でも伸線機の製造が始まり、競争が激化していま す。サイカワの武器は膨大なデータ量と高い技術力。今後もこの2つをもとに顧客が求める線種や線径に合わせたオーダーメイドの機械を製造していき ます。

自動運転やロボットなど、 新技術は人の命に関わるからこそ信頼に応えることが重要

第四次産業革命とも言われる現在。車の自動運転やロボットなど技術の発達によって人の手が加わらない状況で機械を動かすことも可能となりました。しかしこうした自動化は一歩間違えると人の命に関わります。電線の不具合で信号が動かなくなったり、電気が流れなくなったりすることも十分考えられる分野です。だからこそ信頼される電線を作り続ける必要があります。その製品の原型を造るの が伸線機。受注製造を主としてきた私たちだからこそ、信頼に応えうる機械を今後も変わらずに製造していきます。

専務取締役 相沢 隆さん

商品ピックアップ『ノンスリップタイプ伸線機』

試運転では、材料SUS線で仕上がり線径φ0.015mm、最高速度1000m/minを達 成。新素材に適したキャプスタン材質での伸線も探求可能です。お客様の要望を伺って設計しますので、まずはお問合せください。

会社概要

株式会社サイカワ
明治43(1910)年、石油さく井の機械及部品製作を開始。その後、昭和12(1937)年から電線を細く伸ばす『伸線機』の製造を始めた。注文から設計、製造、試運転 まで全てのプロセスを自社で請け負う。また25カ国での販売実績を持ち、銅線では世界トップシェ ア、国内では約8割の電線製造機を造る、業界のトップランナー。

住所:新潟県柏崎市大字安田7586番地
TEL : 0257-24-4111
HP :http://www.saikawa.co.jp/


※この記事は新潟県中小企業団体中央会・ものづくり支援センターさまとのタイアップ記事です。

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。