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佐渡金山の秘境を巡る「江戸時代専門コース」に行ってみた

佐渡金山の秘境を巡る「江戸時代専門コース」に行ってみた

この記事のライター あらきやすし(会社員)

「佐渡金山」と言えば、佐渡を代表する観光名所。行った事ある方も多いと思います。

昔の坑道跡が見学コースになっていて、しかも自動人形が設置され、江戸時代の採掘の様子を分かりやすく再現しています。人形が「馴染みの女に会いてぇなぁ」と喋るのはあまりにも有名ですね。

そんな佐渡金山ですが、昨年(2013年)7月、新しく『江戸時代専門コース』が設置されました。『佐渡金山の秘境を巡る』とのキャッチコピーが付いているこのコース、実は参加するにはかなりハードルが高いのです。用件は以下の通り。

  • 参加費は3, 500円(高校生以上)、小中学生は1, 700円。※小学生は高学年以上
  • 所要時間約3時間
  • 要事前予約
  • 最少催行人員2名
  • 健脚な方のみ参加可能
  • 専任のガイドがご案内

(要件は2013年8月時点で確認したものです)

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(2014年8月7日追記)

2014年、「江戸時代専門コース」は「ガイド付 山師体験コース(当日受付可)」と「ガイド付 山師皆伝コース(要事前予約)」の二つのコースに再編されました。「山師体験コース」は大切山坑に、宗太夫坑道コースがセットなっており、「山師皆伝コース」は大切山坑と南沢疎水に宗太夫坑道コースがセットになっています。(2014年8月現在)

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特に参加費が結構お高い・・・ですね。ハードルが高いだけあって、参加者もそんなには多くないそうです。

とは言え、せっかくの機会、友人と一緒に申し込みをしました。当日は私と友人、それと関西から佐渡旅行に来ていた方お一人が加わり、総勢3名+ガイドさんで出発します。

先ずは佐渡金山端緒「父の割戸」

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佐渡金山入り口前が集合場所。ガイドさんが運転する車に乗りこみます。先ず向かったのが、すぐ隣の駐車場にある倉庫。ここで、ヘルメットに懐中電灯、長靴を貸し出して頂きました。

そう、この「江戸時代専門コース」は、佐渡金山の秘境を巡る上級者向けコースなのです。

防虫スプレーを腕や首回りに吹き付けて、いよいよ、出発です。

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最初の目的地は「父(てて)の割戸(われど)」。車を降りて、山道を徒歩で登っていきます。この道中、「関東坑道」と呼ばれる坑道の入り口がある以外は、特に見どころは無く、ひたすら約20分、進みます。

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ようやくたどり着いた父の割戸。明らかに自然に出来たものではない岩場が広がっています。

実はこの父の割戸が佐渡金山の中でも最初に発見された金山です。関ヶ原の合戦の翌年、1601年に山師によって発見されたのだとか。しかし、こんな山の中の地中に金の鉱脈がある事を、当時の山師はどうやって突き止めたのか?全くもって謎です。

続いての目的地は「大切山坑」です。その前に、元来た山道を、20分かけて戻ります。

佐渡奉行が視察した?「大切山坑」

05-edo-senmon 「大切山坑」は江戸時代に採掘された坑道です。明治維新後も採掘が続けられ、戦時中は銅の産出が集中的に行われていました。

ここで、借りていたヘルメットと懐中電灯の登場です。ちょっとした探検隊気分です。

坑道入り口は、かなり水が溜まっていました。湧水が大量に溜まるのだそうです。この日も午前中、ガイドさんがかなり水抜きをしたのですが、それでも溜まってしまうのだそうです。

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坑道に入ってすぐのあたりは、天井がとても高く掘られています。これは当時、お奉行様が坑道を視察に来た際に、馬に乗ったまま中に入れるようにしたのです。しかし、歴代の佐渡奉行の中で、坑道内まで立ち入ったのはほんの僅かだったそう。

奥に進むにつれ、真っ暗になります。懐中電灯を照らし、足元に注意しながら進んでいきます。

07-edo-senmon さらに奥に進んでいくと坑道が二本並行して掘られている事が分かります。この「大切山坑」は全長400mと長くなるため、換気用に副坑道を掘ったのです。後世になって坑道を拡幅した際に、一部が繋がってしまいました。

ここまで来ると天井もだいぶ低くなります。気を付けないと頭をぶつけてしまいそう。ヘルメットを貸し出すのは、このためでした。

謎多い「南沢疎水坑」と佐渡金山の知られざる使命

08-edo-senmon 最後の目的地は「南沢疎水坑」です。

車で移動、佐渡金山を離れて相川の市街に入っていきます。普通の住宅地の中にある「南沢疎水」の入り口からは、大きな水の音と冷気が伝わってきます。

実はこの「南沢疎水」には、佐渡金山の知られざる“使命”が隠されています。と言うのも、佐渡金山の坑道は湧水が大量に湧き出します。この湧水を坑道の外に排出するために掘られたのが、この「南沢疎水坑」なのです。

江戸時代前期に掘られたのですが、工期は僅か5年(先の「大切山坑」が約400mで14年の歳月を掛けています)。そして現在でもこの疎水の全貌は明らかになっていない、謎の多い坑道です。

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疎水の内部は照明が設置されていています。この疎水、現在でも佐渡金山の坑道跡から湧き出る水を海に排出している、現役の疎水です。

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そして坑道内部に設置してある謎の機械。実はこれ、疎水に流れてくる湧水を中和するための大切な機械。

坑道の湧水は実は強酸性、そのまま川や海に流してしまうと大変な公害になっていまいます。そこで、佐渡金山の運営会社(コールデン佐渡さん)は、強アルカリ性の薬剤を投入して、湧水を中和しているのです。

佐渡金山さんは平成元年に採掘を中止しました。その後、観光施設として「史跡・佐渡金山」を運営しながら、この中和の作業を現在でも続けているのです。

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以上、全行程概ね2時間くらいで終了しました。所要時間3時間と案内されていますが、参加人数が少なかったので移動時間が短くて済んだようです。

この「江戸時代専門コース」で巡った父の割戸、大切山坑、南沢疎水坑はいずれも普段は立ち入ることが出来ません。このコースに参加した人だけが立ち入ることが出来ます。ほとんど整備されていない、当時のままの坑道内部に入る事が出来ます。これはかなり貴重な体験でした。3, 500円分の価値はあったと思います。

興味ある方、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?(筆者がこのコースに参加したのは2013年8月です)

また、佐渡金山では「江戸時代専門コース」以外にも、おなじみの「宗太夫坑コース」や、「道遊坑(近代コース)」、「産業遺産散策コース」など、さまざまな観光コースが楽しめますよ。ぜひご興味あるコースを探してみてください。

スポット情報

佐渡金山 


あらきやすしライター あらきやすし(会社員)

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