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ボードゲームで新潟を世界へと発信する。「戦国ラタック」創始者にお話を伺う(後編)

ボードゲームで新潟を世界へと発信する。「戦国ラタック」創始者にお話を伺う(後編)

takeyaprof_bustupこの記事のライター 竹谷純平(フリーライター)

新潟発、世界への発信を目指す「戦国ラタック」。創始者の有磯昌男さんへのインタビューです。後編は、戦国ラタックが掲げる3つの戦略についてお聞きしました。

健全教育のツールとしてのボードゲーム

日本史上に名高い「川中島の戦い」がモチーフ。史実では引き分けが続いたが…

(前回からの続き)

有磯さんが考える、戦国ラタック普及の3つの戦略。2つ目は「戦国ラタックは、健全教育のツールにもなる」ということ。「ゲームといえども、『勝負事』。ビジネスと通じるところもある。勝負というものは、必ず勝者と敗者に分かれます。その中で、勝者と敗者はどう振る舞うか。これはチェスでも将棋でも同様のことが言えるかと思いますが、礼儀が大切だということを、ゲームを通じて教える狙いもあります」と有磯さん。

たしかに、言われてみれば、勝負事で勝った側はおごり高ぶったり、相手を見下したりしがちです。また、負けた方は必要以上に落ち込んでしまったり…。「今の時代は、とくに『負ける』経験をしにくい時代。負けることへの耐性を身につけることなく、そのまま大人になってしまう方が増えていると思います。そして、少しの失敗で引きこもりになってしまったり、最悪の場合、自殺してしまったり…。勝負事になれていないことも一因なのではないかと思います。だからこそ、勝負事での勝ち負けの経験を得てもらう場所にもなれば、と思います。ゲームで死ぬことはありませんから。」

新潟経由フランス行き。「ラタック」を母国へ凱旋帰国させてあげたい

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3つ目は、フランス生まれ、けれどもフランスの方はほとんど知らないラタックを「帰国」させることと言います。「せっかく素晴らしいゲームがあるのだから、本国の皆さんにも知ってもらいたい。凱旋帰国させたいんです。その際に『日本のテイスト』も含めて帰国させてあげることができれば、より面白いことになるだろうと。毎年、カンヌで国際的なボードゲームの展示会が開催されるのですが、そこへの展示もゆくゆくは行っていきたいですね」と有磯さん。

ご自身もチェスをはじめとしたボードゲームの愛好者であるだけに、戦略を練り大局的に物事を進めていらっしゃるなあ…と、インタビューをしていて、ひしひしと感じました。しかし、長期的な戦略を立てて新しい試みを推進するというのは、難しいもの。競技大会の運営なども大変です。モチベーションはどのように保っているのでしょうか。「さすがに『すぐメジャーな競技になる』とは考えていません。けれども、『上杉謙信公杯』という形でやらせてもらっていて、去年より今年、今年より来年…ということで、年々大きな大会になっていくだろうと予想しているし、戦略をしっかりと立てています。そういう将来への目標があるから、モチベーションを保っていられるんです。」

「まちおこし」「健全教育」「フランスへの凱旋帰国(逆普及)」。一見、バラバラであるかのように見える物事を、長期的な戦略によってつなげていく試み。インタビュー中もチェスなどの用語に例えてお話を頂いたシーンがいくつもありました。ボードゲームを愛好する有磯さんならではの、「手を打っていく」かのようなお話。緊張感があり、まるで対局しているような気持ちになりました。有磯さんの「戦国ラタック」戦略がうまくはまることを願ってやみません。

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Blue Cafeで開催される新潟チェス倶楽部取材の「チェス教室」での一コマ。有磯さんは同倶楽部の副会長を務める。チェスの対局をしているかのような刺激的なインタビューでした。

インフォメーション

「戦国ラタック」

ホームページ:戦国ラタック公式Facebookページ

イベント情報:第二回 ふるさと村上杉謙信公杯 戦国ラタックボードゲーム大会

「隠し技」

最後の最後に、有磯さんご自身が「隠し技」と例えていらっしゃった戦国ラタックにまつわるエピソードをご紹介して終わりたいと思います。「これまで色々話しましたけど、実は、それとは別で大きなことを思いながらやっています。それは『家族とのこと』。僕には娘が二人いますが、僕はこれ(戦国ラタック)をかれこれ12年もやっているわけです。休みの日、仕事が終わってからの深夜…ほとんどラタックに関わることをしているわけです。ひとつ屋根の下に住む男親としては、『世の中、お金だけじゃないんだよ』ということを無言で娘たちに伝えたいんです。つまりそれは『金だけのつまらない男は連れてくるなよ!』という男親としての思いがあって。『仕事だけでなく趣味、好きなことにに全力をかける奴!』と無言のうちに訴えているわけです。これが、もしかしたら一番のモチベーションなのかもしれませんね。」


takeyaprof_bustupこの記事のライター 竹谷純平(フリーライター)

 

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