Noism新作『ASU~不可視への献身』。10周年から次の一歩へ【公開リハーサルレポ―ト】

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唐澤頼充この記事のライター 唐澤頼充(ライター/編集者)

 

新潟が誇るりゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)専属舞踊団Noism。2014年12月19・20・ 21日の全3回公演でNoism1の最新作「ASU~不可視への献身」が公開されます。設立10周年記念公演として話題を呼んだ劇的舞踊『カルメン』を経て挑む、金森穣氏演出振付による最新作は、衣裳にISSEY MIYAKEのデザイナー・宮前義之氏を迎えました。

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10年を経て新たな一歩を踏み出す公演のマスコミ向け公開リハーサルに今回もお声がけいただき、見学に行ってきました!

今回の公演は2部制。第1部「Training Piece」。名前の通りNoismの舞踊家たちの毎朝のトレーニング方法を作品に紹介した舞台です。第2部は「ASU」。ストーリー性のあるNoismの新しい一歩を踏み出す作品。公開リハーサルでは第1部の通しが公開されました。

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第1部「Training Piece」の前半は、「ノイズム・メソッド」と呼ばれるNoismオリジナルの訓練法。長く公開が求められてきた訓練方法を作品とすることで、ついに陽の目の当たる場所に出すことができたそう。鐘の音のような音楽に合わせ、時に規則的に、ときに秩序なくフォーメーションを変えながら踊ります。

この白い衣装。身体を覆い隠しているが、その理由はノイズム・メソッドは「インナーマッスル」を重視したもの。

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後半部分はクラッシックバレエの技法を独自にアレンジしたノイズム・バレエと呼ぶ訓練法。ミラーが出現し、まるで競泳プールのような作りの舞台で、スポーティーでカラフルな衣装で、電子音楽とともに踊ります。「バレエだから当然ミラーが必要」とのことで、前半のトレーニングとは一線を画しているそう。

バレエと言っても「西洋的なクラシックバレエは垂直軸で上へ、そして身体を開く。しかし和的なものは下へ、内へ。和的な要素をバレエに取り入れている。さらに垂直ではなく、横へズラす要素も取り入れた独自のバレエになっている」というのは、囲み取材での金森さん。

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公開リハ後の囲み取材では、記者たちが「カルメン」の話を持ち出すと「もう終わったんだからいいじゃん(笑)カルメン舞踊団じゃないんだから」と笑いを誘った金森氏。曰く「カルメンは、娯楽性が高く大衆性の強い、Noismの中では珍しい作品。カルメンから入ったお客さんは驚くかもしれないけれど、あれが特殊だから(笑)」。

公開リハをした第1部については、「外部から見せてくれ見せてくれと何度も言われるので、これでようやく言われなくなるかな。舞踊家は修行僧のようなもの。見学などで見られていると舞踊家も意識してしまい伝わらない」とのこと。

さらに、「第1部は10年のトレーニングの集大成を披露するもの。第2部は具体的な物語があるわけじゃないが、精神的なものというか、ある種世界観の中に連れて行く事にはなると思う。新しいNoismを披露するのでぜひ見て欲しい」と力強く語っていました。

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作品としては照明がこれから追加。舞踊家たちの仕上がりは8割で、個別にモチベーションをコントロールし、足並みを揃えていくとのことです。本番まで1週間でさらに完成度を高めていくと思うと本番がとても楽しみです。

『ASU~不可視への献身』新潟公演

  • 日時:2014年12月19日(金)19:00
  • 20日(土)17:00
  • 21日(日)15:00 *全3回公演
  • 会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉
  • http://www.noism.jp/

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唐澤頼充この記事のライター 唐澤頼充(ライター/編集者)

 

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※本記事の内容は取材・投稿時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報につきましては直接取材先へご確認ください。